ソウ(SAW)
（2004年 アメリカ）（上映時間１時間43分）
監督：ジェームズ・ワン
出演：ケアリー・エルウェズ、ダニー・グローバー、モニカ・ポッター、リー・
ワネル
＊VIRGIN TOHO CHINEMAS 六本木ヒルズほかTOHOシネコン系にて全国公開
ホームページ http://sawmovie.jp/
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＜ストーリー＞
まったく関係のない医者のゴードンとアダム青年は、いつのまにか地下室に閉
じ込められていた。対角線上に足首を鎖でつながれ、２人の間には血まみれの死
体があった。部屋には、テープレコーダー、「再生せよ」と書かれたテープ、銃
弾、タバコ、２本のノコギリがある。いったいどうやったら、この部屋から脱出
できるのか。テープを再生してみると、ゴードンがアダムを殺さなければ、数時
間後にゴードンの妻子が殺されるというメッセージが残されていた……。
＜レビュー＞
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ハラハラドキドキの連続で最後まで飽きさせないシチュエーション・スリラー
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配給会社からの警告です。「大変にストレスを感じる映画です。必ず＜ひとり
＞でご覧下さい。」
なのになのに、なんでこんなにカップルや友人連れが多いんやぁ〜〜！！ ボ
クのようにひとりで行かなきゃダメじゃん。 （^０^）
まあ、そんなことはどーでもいいのだが、確かにこの映画、観終わって相当に
ストレスがたまりそうな映画です。
密室で対角線上に鎖でつながれた２人の男。間には血まみれの死体。部屋にあ
るのはテープレコーダー、ノコギリ、銃弾などいくつかの奇妙なアイテム。いっ
たいこれを使って、どうやって脱出すればいいのか。犯人は猟奇連続殺人犯で、
２人の男が殺し合うことを望んでいるようなのだが……。
こういうように、極端な状況を与えられた主人公たちが、その困難な状況から
いかに脱け出すかを描くスリラー映画を「ソリッド・シチュエーション・スリラ
ー」と呼ぶそうです。
『キューブ』なんかがそうでしたが、いろんなアイテムを使って、いわばゲー
ム感覚を楽しみながらハラハラドキドキするワケ。 ｏ（＾ｏ＾）ｏ
てことで、密室からの脱出劇が中心なのだが、実はそれだけじゃないのネ。そ
れだけで最初から最後まで引っ張ってくれたら、スゴイと思ったんだけど、さす
がにそれは無理だったみたいね。
で、刑事たちによる犯人追跡劇、そして捕らわれの身となった医師の妻子の恐
怖なども並行して描いています。
ただし、その間、緊張感が途切れることはまったくなく、すさまじいハラハラ
ドキドキ感の連続です。ギリギリの状態に追い込まれた２人の男のシリアスな対
峙。彼らの絶望、焦燥感、恐怖がヒシヒシと伝わってきます。
そして、忍び寄る残忍な猟奇殺人犯の魔の手。世にも恐ろしいその姿が、刑事
たちの追跡劇などを通して少しずつ見えてきます。それは想像もできない残虐な
もの。誰があんな殺人テクニックを思いつくだろうか。 Ｗ（゜O゜）W
全体を包むダークな雰囲気もスゴミがあり、特に暗闇の使い方がうまい。それ
はもう血圧上昇しっぱなしなので、心臓の弱い方はご注意くださいませ。 ｍ
（．＿．）ｍ
そうやって２人の男が対峙するうちに、実は両者には意外な関係があり、それ
が事件に関係しているらしいことがわかる。
そして、やがて恐怖のラストシーンへと突入だぁ〜〜！！ (＾o＾)／
実はこの映画にはハラハラドキドキ感と同時に、なんともいえない不快感が漂
うのです。そう、ブラピ主演の『セブン』と同じようなオドロオドロしい恐怖が
全身を貫くのだ。
その直接の原因は恐怖のラストシーンにある。ラストで明かされる犯人の正体。
それは予想通りであまりにも陳腐。しかし、そこで起きる出来事は、とんでもな
く残虐で、目を背けたくなるほど。おぇ〜〜！！ 気持ち悪いよぉ〜〜〜！！！
(゜o゜)
しかも、なんとその先には信じられないような結末が……。ええっ！ まさか
そんなぁ〜〜〜！！
あの結末はまったく予想不可能。やりすぎな感じもして少し笑ってしまったの
だが、それにしても衝撃度は強烈すぎます。映画の途中でずーっと入る不快なノ
イズも、きっと計算ずくで入れたのでしょう。あらゆる手法で、観客をハラハラ
ドキドキさせ、不快にさせる映画です。
うーむ、こんなショッキングでインパクトの強いスリラー映画は久しぶりだな
ぁ〜。これは怪作と呼んでもいいのではないだろうか。
できれば、せっかくチラチラ見えてきた２人の男の背景をうまく使って、人間
ドラマによる心理的な恐怖を煽り立てれば、持続する恐怖に深みが出たと思うの
だが。そこまで要求するのは欲張りかしら？
オーストラリア出身の監督のジェームズ・ワンと脚本・出演のリー・ワネル
（『マトリックス リローデッド』のアクセル役）のキレた才能を実感させられ
る映画。低予算映画ならではの魅力に満ちあふれています。コワイ映画がお好き
な方は、かなり楽しめるのではないでしょうか。ただし、観終わって残る不快感
にはご注意を。
それはそうと、刑事役のダニー・グローバーと医者の奥さん役のモニカ・ポッ
ター、それなりに売れている役者なのに、こんな低予算なお騒がせ映画に出て大
丈夫なのか？ ま、いらんおせっかいですがネ。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（+1／2★）【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない？】
（アイデアもシナリオも演出もキッチリと作られている低予算映画のお手本の
ような映画。コワイ映画が好きな方には絶対にオススメです。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年10月30日（土）池袋シネマサンシャインにて。午後１時45分の回。