ソウ２(SAW2)
| （2005年 アメリカ）（上映時間１時間34分） 監督：ダーレン・リン・バウズマン 出演：ドニー・ウォールバーグ、ディナ・メイヤー、フランキー・G、エマニュ エル・ヴォージア、トビン・ベル ＊ヴァージンシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開 ホームページ http://saw2.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 凄惨な殺人現場に出かけた刑事のエリック（ドニー・ウォールバーグ）は、以 前世間を騒がせた連続殺人犯ジグソウ（トビン・ベル）の犯行ではないかと疑 う。やがて、ＳＷＡＴとともに突入したアジトで、エリックはジグソウと出会 う。だが、ゲームはすでに始まっていた。一軒家に監禁された男女８人に、ジ グソウは恐ろしい罠を仕掛けていたのだ。そして、その中にはエリックの息子 ダニエルがいた……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 グレードアップしたシチュエーション・スリラー。おもしろさは前作以上 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 それほど話題にもなっていなかった低予算映画がヒットすると、すぐに続編を つくりたがるのが映画界の常。でも、そういう映画ってつまらないものが多い んですよねぇ〜。まあ、どれとは言いませんけど。 （‐＾▽＾‐） そんな中、ユニークなシチュエーション・スリラー『ソウ』の続編のこの映画 は、なかなかの出来。トータルなおもしろさは前作以上だと思います。 密室に鎖で繋がれた状態で監禁された２人の男性が、殺人鬼ジグソウによって、 互いに殺し合うよう命じられる。生き延びるために彼らがとった手段とは…… というのが前作のネタ。低予算映画ながら、まったく先の読めない展開と、極 限状態に追い込まれた人間心理のコワさ、そして思いもつかないラストのオチ で、見応えある映画に仕上がっていました。 今回も「監禁された人間が極限状態の中で、生き延びるために必死でもがく」 というシチュエーションは前作を踏襲。屋敷の中にいろんな罠が仕掛けられ、 何人かがその犠牲になり、互いに殺し合いをするうちに生き延びるためのタイ ムリミットが迫る。 ただし、今回は人数が８人に増量。場所も密室ではなく、一軒家の中というユ ル〜い設定。鎖に繋がれているわけでもないので、緊迫感は前作ほどではあり ません。極限状態に追い込まれた人間の恐怖はそれなりに描写されているもの の、ヒリヒリするような異様な緊迫感はナシ。 (￣△￣) その代わり、今回はシチュエーション・スリラーの部分と同時並行で、刑事Ｖ Ｓ猟奇殺人犯との対決が描かれます。前作では犯人の顔はチラッとしか見えな かったのですが、今回は意外にも早いうちに素顔をさらしてしまいます。しか し、そこからの刑事との対決が見もの。刑事には息子を人質に取られている焦 りがあり、一方、末期ガンだという犯人は命など顧みず刑事を挑発しまくる。 両者の白熱の対決はビシビシくる迫力です。 何しろ犯人役のトビン・ベルがいいんですよねぇ〜。見るからに猟奇殺人犯っ て感じで。ワル役はたくさんいますが、これだけ不気味な雰囲気を持った役者 さんはそうそういないのでは？ その気色悪さは「仮面ライダー」の死神博士 （天本英世）に匹敵するかも！？ ＼(＾▽＾)／ こうして、シチュエーション・スリラー＋刑事と犯人の対決という２つの要素 によって、ダブルで楽しめるのが前作との違い。後半に行くにしたがってどん どんテンポもアップして、ハラハラドキドキ感が高まっていきます。 そして、ラストは戦慄の結末。さすがに前作ほどの驚きはないものの、意表を 突いた展開であることは間違いなし。 また、前作で監督を務めたジェームズ・ワンと脚本＆出演のリー・ワネルが、 製作総指揮などに名前を連ねているため、前作とのつながりもきちんと描かれ ています。前作の２人がどうして監禁されたのかが明らかになります。 「何なんじゃ、このコワさは〜〜〜！！」というケタはずれの異様なコワさは なくなったものの、前作からバージョンアップしてトータルなおもしろさが増 した感じ。前作のファンだけでなくサスペンス・スリラー好きな観客に幅広く アピールしそうです。 ちなみに、エリック刑事役のドニー・ウォールバーグって、昔、人気グループ の「ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック」のメンバーだったんだってね。 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ （コワイ映画が好きな方にオススメ。できれば前作を観てから行ったほうがい いでしょう。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年10月29日（土）池袋シネマサンシャインにて。午後２時50分の回。 |