セント・オブ・ウーマン／夢の香り (SCENT OF A WOMAN)
(1992年 アメリカ)
監督：マーティン・ブレスト
出演：アル・パチーノ、クリス・オドネル、ジェームズ・レブホーン、ガブリ
エル・アンウォー、フィリップ・シーモア・ホフマン
【ＶＩＤＥＯ】ＣＩＣ・ビクタービデオより、【ＬＤ】【ＤＶＤ】パイオニア
ＬＤＣより発売
＜ストーリー＞
全寮制名門校の生徒チャーリーは、休暇中のアルバイトで全盲の元陸軍中佐フ
ランクの世話をすることになる。だが、彼は人間嫌いとも思えるほど頑固で手
におえない。フランクの案内役としてニューヨークに出かけたチャーリーは、
旅先でも彼に振りまわされる。最高のホテル、最高のレストラン、最高の車、
そして最高の美女を求め歩くフランク。だが、実はこの旅には、隠された目的
があった……。
＜レビュー＞
年の差を超えたふたりの男の友情。そして、生きることの素晴らしさ。
怒涛の人間愛がグシグシと胸に迫る！
こんな感動はめったに体験できないゾ。
何よりもいいのがアル・パチーノだ。
気難し屋で人間嫌い。でも、その心の内面には意外な表情が隠されている。そ
んな役を見事に演じている。
特に、前半の頑固ジジイの演技は絶品。目の前にあんな人がいたら、僕、確実
に張り飛ばしています。(＾0＾)
だから、後半の感動がなおさら深くなるんだなぁ。
「全盲」の演技もスゴイ。演技している間、瞳が全然動かないのだ。
いくら役者でも、これはなかなかできることじゃない。
これだけでも十分に主演男優賞に値すると思う（ちなみに、これが７度目のノ
ミネートでようやく受賞）。
演技力といい、存在感といい、現代を代表する名優だ。
そして、心優しいエリート学生を演じたクリス・オドネルの頑張りにも拍手。
当時は、まだ22歳ぐらいで、いわば新人に毛が生えた程度。大先輩を相手に気
後れしても不思議ではない。それが、堂々と渡り合ったのだからたいしたもの。
大物の素質を感じさせてくれた。
人間なんて表面だけじゃ何にもわからない。心と心が触れ合って、初めて相手
の本当の姿が見えてくる。そんな深い結びつきに、年齢の差なんか関係ないのだ。
あなたのまわりの嫌なヤツも、本当はとってもいい人だったりして！？
《ぽちのおすすめ度》
★★★★
＜ぽち＞
《もものコメント》
アル・パチーノの熱演に脱帽！
あの態度のデカには笑っちゃいます。
日本だと、障害者を美化しがちだけれど、特別視しないでありのままに描いて
いるところに感心しました。
アル・パチーノとガブリエル・アンウォーがタンゴを踊るシーンも絶品。
それにしても、タイトルの「セント・オブ・ウーマン」って「女の香り」。そ
れなのに、女があんまり活躍しないのがおもしろい。