下妻物語
（2004年 日本）（上映時間１時間42分）
監督・脚本：中島哲也
出演：深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、
小池栄子、矢沢心、荒川良々、生瀬勝久、本田博太郎、樹木希林
＊シネクイント、シャンテシネほかにて全国公開
ホームページ http://www.shimotsuma-movie.jp/
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＜ストーリー＞
茨城県下妻市に住むロリータファッション命の竜ヶ崎桃子（深田恭子）は、洋
服代稼ぎに父親がつくったバッタものの服を売ろうとする。そこに現れたのが
ツッパリ・スケ番スタイルのヤンキー少女、白百合イチゴ（土屋アンナ）。桃
子の迷惑も顧みず、彼女の家に通うようになる。なんだかんだで、２人で一緒
に行動するようになり友情らしきものが芽生えるのだが……。
＜レビュー＞
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オバカなだけのギャグ映画じゃないゾ！ 少女の成長物語もキチンと
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はっきり言って、観る前はバカにしてました。
だって、バリバリのロリータファッションに身を包む少女と、ブリブリの特攻
服に身を包むヤンキー少女って、アンタ、そんなもんいまどきいねえヨ！ ど
うせ中身のないオバカなギャグ映画なんでしょ。フン！ (｀ヘ´)
てな気持だったのだが、いやぁ〜、とんでもない。そんな予想は見事に覆され
ちまいました。
いや、確かにオバカなギャグ映画なんです。でもねぇ、現実にありえない話に、
ムリにリアリティーを持たせようなんてしないで、照れることなくオバカな
ウソ話に徹している。その潔さが実に心地よいのだ。 (*^。^*)
そうやってギャグ満載で描かれるこの映画。１分、いや30秒に１回は確実に笑
えますッ！！
そのぐらい笑いのパンチは強力。 ｏ（・＿・）○☆
オープニングの深キョン演じる桃子が語る「ロココ時代への讃歌」から、ジャ
スコ安いもの市（だっけ？）、そして桃子のサイテーな生い立ちと、たたみか
けるように笑いの爆弾を破裂させる。
登場人物もバカなら、その行動もまったくオバカ。もう笑っちゃうしかないん
です。"ベルサ●チ"と"ユニバーサル●"のコラボＴシャツなんて、バカですね
ぇ〜。
アニメを使ったり、空想の中のブッ飛び世界を映像にしたり、はてはあの水野
晴郎センセーまでご登場。既成概念なんか取っ払っちゃえ！ 制限ナシのジャ
ンジャンバリバリの笑いの世界が大爆発！ (^-^)/(((((((((●〜*
でもねぇ〜、この映画は、ただのオバカなコメディー映画ではないのだ。
後半は、桃子があこがれの店からデザインを依頼されたり、イチコ（ホントは
イチゴ）が男の子を好きになったりと、２人の少女の青春ドラマが展開。
特にキッチリ描かれているのが桃子の成長物語。
「人間は１人で生きていける」「自分が幸せで楽しければいーじゃん」という
自称「マジで心根の腐った」桃子が、ヤンキー少女のイチゴと出会い、友情ら
しきものが芽生えて少しずつ変わっていく。その場だけの生き方から、「自分
にしかできないもの」を探そうとする。
という少女の成長物語をキチッと描いた青春ドラマなのです。
こういうのって、青臭くて、古典的な話ですよねぇ〜。まともに語られちゃっ
たら、引いちゃいますよねぇ〜。 (*^^*ゞ
でも、それがまったく途切れることのない、オバカなコメディーの中で描かれ
るので、抵抗なく素直に心に入ってきてしまうんです。
それまで、マンガのキャラでしかなかった２人の少女が、心を持った人間に変
わっていくようすは見事としか言いようがありません。
クライマックスの牛久大仏での決闘シーンなんて、ついググッと来てしまいま
したですヨ。
そこでの深キョンの変貌ぶりにも大拍手。私生活もホントは意外にコワかった
りして！？
その深キョンと土屋アンナの絶妙なコンビネーションに加え、宮迫博之、篠原
涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、樹木希林などなど、脇役のキョーレツな個性も
これまた楽しいんだなぁ〜。特に宮迫はキレまくってます。
オバカなギャグの中に、キチンと青春ドラマをはめ込んだ、とっても楽しくて
明るい気分になれる映画。監督の中島哲也は、これまでＣＭを中心に活躍して
きた人のようです。ただの若手のポッと出の監督のように勢いだけで勝負せず
に、きちんとしたドラマを練り上げているところに感心。
ボク、実はこういう映画をつくりたかったんだよなぁ〜。先を越されちゃった
なぁ〜。悔しいなぁ〜。今に見ていろ！（と言い続けて何年？）
《ぽちのオススメ度》
★★★★☆【絶対にオススメ！ みんな観てねぇ〜】
（コメディー嫌いの人以外にはオススメ。若い人だけでなく、けっこう大人な
方にも楽しめる映画です。親子連れで観に行っても楽しいかも。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年５月31日（火）シャンテ・シネにて。午後12時50分の回。