シン・シティ(SIN CITY)


(2005年 アメリカ)(上映時間2時間4分)
監督:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランテ
ィーノ
出演:ブルース・ウィリス、ジェシカ・アルバ、ミッキー・ローク、ベニチ
オ・デル・トロ、ジョシュ・ハートネット、クライヴ・オーウェン、イライジ
ャ・ウッド、デヴォン青木
* 渋谷東急ほか、松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.sincity.jp/index2.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

<ストーリー>

・ エピソード1……仮出所中のマーヴ(ミッキー・ローク)は、殺された高級
娼婦ゴールディ(ジェイミー・キング)の復讐を誓う。不気味なメガネの男
(イライジャ・ウッド)に捕らわれたマーヴは、この男こそ、ゴールディ殺し
の犯人だと確信する。やがて、事件の黒幕がロアーク枢機卿(ルトガー・ハウ
アー)だと知ったマーヴは、ゴールディの双子の姉ウェンディとともに復讐に
立ち上がる……。

・ エピソード2……恋人のシェリー(ブリタニー・マーフィ)につきまとう男、
ジャッキー・ボーイ(ベニチオ・デル・トロ)を痛めつけたドワイト(クライ
ヴ・オーウェン)は、娼婦たちが支配する自治区オールド・タウンに身を潜め
る。ジャッキーはゲイル(ロザリオ・ドーソン)、ベッキー(アレクシス・ブ
レデル)、ミホ(デヴォン青木)ら娼婦たちによって殺される。実は彼は刑事
だった。警官を殺せば、オールド・タウンの自治協定は崩れるのだが……。

・ エピソード3……ハーティガン刑事(ブルース・ウィリス)は、ロアーク上
院議員(パワーズ・ブース)の息子で、幼女殺しの犯人ロアーク・ジュニア
(ニック・スタール)の魔の手から11歳の少女ナンシーを救出する。だが、相
棒ボブ(マイケル・マドセン)の裏切りにより、罪をきせられてしまう。 8年
後、ナンシーからの手紙が途絶え、彼女の身を案じたハーティガンは、出所し
てストリップ・バー"ケイディ"へと行き着くが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
斬新な映像のクールでスタイリッシュなバイオレンス・アクション!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アメコミ界の鬼才フランク・ミラーの原作を『デスペラード』『スパイキッ
ズ』などのロバート・ロドリゲスと原作者のフランク・ミラーが共同監督で映
画化。でもって、そこにロバート・ロドリゲスの盟友ともいうべきタランテ
ィーノが絡んでくる(といっても、ワンシーンのみの監督だけど)という超豪
華な顔合わせの映画。

出演陣も豪華で、ブルース・ウィリス、ジェシカ・アルバ、ミッキー・ローク、
ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ハートネット、クライヴ・オーウェン、イ
ライジャ・ウッド、デヴォン青木、ロザリオ・ドーソン、マイケル・クラー
ク・ダンカン、ニック・スタール、マイケル・マドセン、ルトガー・ハウアー
……て書ききんないヨ(笑)。

いったいどんな映画かといえば、簡単に言えばバイオレンス・アクション。恐
怖の犯罪都市を舞台に、警察官、娼婦、議員、ギャング、犯罪者、聖職者など
が血で血を洗うスサマジイ抗争劇を展開します。 ( ̄□ ̄;)!!

全体は3つのエピソードから構成されていて、全部同じ都市を舞台にしている
のと、多少登場人物がかぶっているぐらいで、基本的にはそれぞれ独立した話。

まあ、とにかく血がドバドバ、ナイフがグサリ、拳銃バンバン、生首が飛ぶわ、
手首が飛ぶわ、内臓をえぐるわ……オエッ! てなエグいシーンの連続です。

だけど、意外にそれほど気色悪くないのは、その映像のせい。全編ほぼモノク
ロで、わずかに血の色とか、女性の服とか一部のみ着色。これが実にクールで
スタイリッシュでカッコいいのです。エグさもかなり緩和されて、目を覆うよ
うな気持ち悪さってほどでもありません。

おまけに、登場人物のスゴミも倍加。特に『美女と野獣』の野獣を思わせるミ
ッキー・ロークの迫力はケタはずれ。昔の猫パンチのイメージを完全に払拭
か!?
犯罪都市の冷たさ、不気味さ、怖さもヒシヒシと伝わってくる映像です。

このテのアクションはお手のもののロドリゲス監督ですから、スリリングさも
十分。特に後半のブルース・ウィリスがかつて助けた少女を救出するシーンは
背筋がゾクゾクする展開。しかも、そのエピソードの最後は、ちょっぴり切な
いラブ・ストーリーになっていたりもします。ヨッ! 憎いぞ。ロドリゲス監
督!! \(^▽^)/

これだけ見事な映像美にはめったに出会えるものではありません。ストーリー
がどうのこうのよりも、見事な映像美を楽しむ映画だと思います。従来のアメ
コミ映画にはない鮮烈な魅力にあふれています。

まあ、いくら映像のおかげでエグさが消えているとはいえ、やっぱりそこは過
激なバイオレンスなので、そのテの映画が苦手な方は遠慮したほうがいいかも
しれませんけど……。

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(一風変わったアメコミ映画。バイオレンスはかなり過激だが、斬新な映像は
見応え十分!)
                                  <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2005年10月1日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の
回。

[レビュートップページ][「し」のページ]