シックス・センス (ＴＨＥ ＳＩＸＴＨ ＳＥＮＳＥ)
(1999年 アメリカ)(上映時間１時間47分)
監督：Ｍ・ナイト・シャマラン
出演：ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
＜ストーリー＞
児童心理学者のマルコム・クロウ（ブルース・ウィリス）の家に、かつて患者
だった少年が侵入。マルコムをピストルで撃って自分も自殺する。それからし
ばらくして、マルコムの前に１人の少年が現れる。彼は「死人が見える」と告
白するが……。
＜レビュー＞
最初に感じたこと。「ブルース・ウィリスって絶対に医者に見えない！」
途中で感じたこと。「な〜んだ。ただのオカルト映画か。『エクソシスト』の
二番煎じじゃん」
最後に感じたこと。「バカヤロー！！ こんなのサギだぁ〜！！」
だって、あれはないでしょう。
まだ観ていない人に悪いから言わないけど、あの結末はどう考えたって反則だ
ゾ。
穴だらけでボロボロの展開。
まだ若いシャマラン監督。さすがに甘いな。フ、フ、フ……。
と思って、もう一度見て怪しいところをチェックしたら、あらまぁ、よく見る
と全部抜け道を作っているんだよなぁ。
穴だらけと思ったところが、実際は理屈に合ってる。穴だと思わせておいて、
壁にマジックで黒い丸を描いていただけって感じ……。
そのダマシのテクニックはただ見事というしかありませ〜ん。
まあ、ここまでダマされちゃうと、かえってスッキリするもんなんだけどサ。
それでもどっか引っかかるなァ。
うーん、なんか胸に詰まったものが……。
そういえば、冒頭のシーンが変だもんなぁ。
昔、治療に失敗した患者の少年が、ウィリスの家に侵入して彼を撃って自分も
自殺する。
しっかり命中したはずなのに、次の場面は突然飛んで、ウィリスは後遺症もな
くピンピンしている。
さすがに『ダイ・ハード』！！ ここでも彼は不死身なんだ。
なんて思ったわけじゃないけど、まさかそういうことだったとはねぇ。
え？ みなさんはちゃんとわかっていた？
おいおい、ホントかよ。
てことは、僕がただニブイだけってこと？
(´ヘ｀；)ハァ
でもさ、結局のところ、この映画って最後のダマシだけじゃん。
あとは、中身が空っぽ。すべては最後のトリックだけのために組み立てられて
いる。そういう映画って、あっていいのか？ （・＿・？）
まあ、いいんだろうな。（なんだ！ その自信のなさは）
いや、正直に言うと、サイコ・ホラーとしてなかなかの出来だと思います。
手持ちカメラで気味悪さを出したり、ムダなセリフを省いたりして、確かな演
出力を見せている。
ウィリスと少年の繊細で緊迫感ある対話シーンも見事だ。
ディテールにこだわった独特の映像美も素晴らしい！
ただサ、物足りなさも残るんだよね。
せっかく「幽霊が見えてしまう子供」というユニークな素材を使っているのに、
それが生かしきれていない気がする。
特に、他の子供と違う「異形」の子供としての悲しみとか、つらさの描き方が
甘い。芸達者なオスメント少年の演技に救われているが、本当はもっともっと
深くまで掘り下げられたんじゃないだろうか。
そのへんがもったいない……。
それに、ホラー映画としても、たとえば『エクソシスト』のようなスゴミは感
じられなかったな。
映像的にはかなり強力なんだけど、脚本はちょっと弱いと思う。
結論。
サイコ・ホラーとしては一級品！
意外な結末を用意したシャマラン監督は、一流のサギ師になれる！！
だけど、どこかのライターさんが書いていた「愛と感動の〜」みたいな雰囲気
は、少なくとも僕には感じられませんでした。
エンターティメントとしておもしろかったけど、人間ドラマとしては食い足り
なかった。
《ぽちのおススメ度》
★★+1／2★
（シャマラン監督も出演しています。さて、どこでしょう？ って、インド人
だからすぐわかっちゃうんだけどサ。）
＜ぽち＞