サウンド・オブ・サイレンス(DON'T SAY A WORD)
（2001年 アメリカ）（上映時間１時間54分）
監督：ゲイリー・フレダー
出演：マイケル・ダグラス、ション・ビーン、ブリタニー・マーフィ、ファム
ケ・ヤンセン、スカイ・マッコール・バーツシアク
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＜ストーリー＞
ニューヨークの有能な精神科医ネイサン（マイケル・ダグラス）の娘が誘拐さ
れる。犯人の要求は、入院中の心を閉ざした少女エリザベスから６ケタの数字
を聞き出すこと。タイムリミットは午後５時。ネイサンは必死で少女と向き合
うが……。
＜レビュー＞
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よくできた構成。細かなことを気にしなければけっこう楽しめます
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ありゃま！ なんという邦題でしょ。原題とは全然関係ナシ。まさか、かつて
のサイモン＆ガーファンクルの名曲のタイトルを意識したんじゃないでしょう
？ 担当者は、けっこうオヤジ世代だったりして……。 （⌒＾⌒）ｂ
正統派サスペンス映画です。
高名な精神科医ネイサンの娘が誘拐される。犯人グループの要求は、心を病ん
だ少女からある数字を聞き出すこと。タイムリミットは午後５時。
目的もわからないままに、とにかく犯人の要求に従うネイサン。はたして彼は
時間までに少女の心を開き、謎を明らかにすることができるのか……。
オープニングは銀行強盗の様子がスリリングに描かれます。 O(^o^)o
続いて時間は一挙に飛んで10年後。精神科医ネイサンの日常が描かれる。感謝
祭を前にした幸せな家族風景。いったい一家と銀行強盗の話とはどう関係して
いるのか？
しばらくの間は、この疑問をうまく利用して物語を引っ張っていきます。
そして、やがてネイサンの娘が誘拐される。 Ｗ(゜o゜)Ｗ
犯人の要求は、ネイサンが知人の医師に頼まれて診察したある少女から、６ケ
タの数字を聞き出すこと。
ここで、「ははーん」と事件の概要はわかっちゃうんですけどね。ところが、
今度は川で発見された女性の死体と、それを捜査する女性刑事の話を出してく
るので、また新たな疑問が……。
こういうふうに、一見関係ないようなエピソードをポンポンと提示して、その
関連を明らかにしていくところが前半の見どころ。このへんの組み立て方はな
かなか見事です。
そして、中盤からは娘を助けるために、必死で少女の心を開かせようとするネ
イサンの奔走ぶりが描かれます。
ここでは「ネイサンＶＳ犯人」と「ネイサンＶＳ少女」という二重の対決の構
図を作ってドラマに厚みを出しています。しかも、そこにネイサンの妻（足を
骨折して動けない）の危機、ネイサンの知人の医師の秘密、そして女刑事の奮
闘ぶりなども絡んでくる。
だから、ドラマがブ厚い、ブ厚い。定番ネタが多いとはいえ、サスペンスの魅
力をタップリ詰め込んで、ちっとも飽きさせません。 (^-^)
犯人グループの憎たらしさもかなりのもの。特にリーダー役のショーン・ビー
ンとマイケル・ダグラスの携帯電話を通しての対決はかなりの緊迫感。初めは
強気に出ていた犯人側が、途中で逆に命令されてしまう逆転劇も、定番ネタと
はいえおもしろい。
後半も少しも失速せずに、ラストのカタルシスに向かってジワジワ〜っと盛り
上げていく手腕にも感心させられました。
そのラストも一筋縄ではいきません。ここでも定番の逆転ネタなんかを使いな
がら、「これでもかッ！」と見せ場をつくっていきます。
（ただし、数字のトリックはちょっとやりすぎかも……。）
全体としては、目新しいものはほとんどないけれど、その分安心して最後まで
観られるサスペンス映画。よくできたサスペンス小説を読んでる感じがしまし
た。そのぐらい構成がウマイ！
その代わり、登場人物の心理描写にはやや甘いところも見受けられました。話
をおもしろくするために、都合よく動かされている感じでしたね。特に謎の少
女の行動なんかは。
ていうか、僕的にそれ以上に引っかかったのが、犯人たちの行動ですよ〜。
ネタバレになるのであんまり詳しくは言えないけど、彼らったら、以前に重要
な人間を殺しちゃってるんですよね。今頃あたふたするんなら、あの時にそん
なことしなけりゃいいのにぃ〜。 (・_・")？
それに、ネイサンの娘の誘拐にしたって、「そこまでやるか？」って感じ。か
なりの利益が絡んでいるにしたって、あんなに強引かつ大規模な犯罪計画を実
行するかぁ〜？
そりゃあ、どう考えたってヤバすぎでしょう。 (・_・")？(・_・")？
いえいえ、そんなことを考えちゃいけないのだ。この映画を楽しむには。
サスペンスの定番ネタもたくさん出てくるし、細かなことには目をつぶって観
る映画ってことじゃないでしょうか。
確かに、そうすればけっこう楽しめるのは間違いありません。
ハラハラのサスペンスがお好きな方は、観ても損はしないと思いますヨ。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（予告編はかなりコワい感じですが、それほどでもありません。コワいという
よりはウマイ！ 巧みな構成のサスペンスです。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2002年５月27日（月）池袋ＨＵＭＡＸシネマズ４にて。午前11時の回。