スズメバチ(NID DE GUEPES)


(2002年 フランス)(上映時間1時間48分)
監督・脚本:フローラン=エミリオ・シリ
出演:ナディア・ファレス、ブノワ・マジメル、サミー・ナセリ、ナディア・
ファレス、パスカル・グレゴリー、アンジェロ・インファンティ
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<ストーリー>
アルバニア系マフィアのボスを護送中の特殊警察部隊が襲撃され、巨大な倉庫
に逃げ込む。だが、そこには窃盗団が居合わせていた。彼らは武装集団に包囲
され、絶体絶命のピンチに直面する……。

<レビュー>
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スリリングで迫力満点のフレンチ・アクション。銃弾代はいくら?
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おもしろすぎるぅ〜〜〜!!! (^o^)/
やたらに銃弾をぶっ放すフレンチ・アクション映画だとは聞いていたんですが
、それだけじゃありませんでした。スリリングで、迫力タップリで、予想以上
の楽しさ。これはなかなかの掘り出し物ですヨ。

オープニングはスズメバチの生態を描いたテレビ番組に見入る男が登場。誰な
んだ? こいつ。
と思っているうちに、今度はどうもワルっぽい連中が行動を始める。何なんだ
? こいつら。
と思っているうちに、今度は特殊警察部隊の隊員らしき男女が任務を開始する
……。

というわけで、まったく無関係の3つの話が並行して描かれます。それらがど
う交わるのか、まったく見当もつかない。
緊迫感あふれる映像とスピーディーな展開で、ワケのわからないままスクリー
ンに引きずり込まれます。

やがて、それがマフィアのボスを護送中の特殊警察部隊と、窃盗団グループと
、倉庫の警備員だとわかってくるんです。
で、後半は、夜の倉庫という限定された空間を舞台に大バトルが展開されます
。これがまたすさまじい攻防戦。外部から迫る武装集団(マフィアのボスを取
り返しに来た)との間で飛び交う銃弾の雨あられ。いったい何発撃ちゃ気が済
むんだよぉ〜〜〜〜!! 銃弾代がいくらかかったか気になります。余計なお
世話ですが。

でも、ただ暴力的なだけではありません。倉庫という限定された空間を生かし
て、あの手この手で新しい局面を次々につくり出し、そこでいろんな見せ場を
生み出しています。そのハラハラドキドキ度はかなりのもの。これぞまさに手
に汗握る展開っていうヤツです。 o(^o^)o

観終わって冷静に考えりゃ、別にどうってことないストーリーなんですけどね
。それをこれだけおもしろくするんだからスゴイもの。
伏線もしっかり張った脚本が秀逸! 前半はナゾで引っ張り、後半はスリリン
グな攻防戦で飽きさせない。細かな部分までよく書かれています。
スピーディで迫力満点の映像も見事。ビックリするようなテクを見せびらかす
わけではないけれど、その場その場にピッタリの鮮度の高い映像です。

もちろんこの映画、バリバリのエンターティメント映画なのですが、ハリウッ
ドのアクションもののようなネアカさはありません。全体に暗めのタッチで、
どことなく影がある。
ラストにしても、ハリウッドなら、「やったぜ! みんなハッピーだッ!」と
なるわけですが、この映画は何か重いものを残したまま終わる。それもまた独
特の味わいがあってよかったと思います。

『クリムゾン・リバー』のナディア・ファレス、『ピアニスト』のブノワ・マ
ジメル、『TAXi』シリーズのサミー・ナセリ、『ゴッドファーザー』のア
ンジェロ・インファンティなど役者もシブいところを押さえています。

あえて欠点をあげれば、登場人物の描写がやや甘いところ。特殊部隊の女性中
佐や窃盗団メンバーなどが背負った背景がそれなりに描かれるものの、中途半
端なのは否定できない。でも、まあアクション中心の映画なので、そのあたり
は仕方のないところかもしれません。

それでも十分に楽しめる映画だと思います。
フランス映画に限らず、最近のアクションものでは一番おもしろかったな。ハ
リウッド映画の良さをしっかり取り入れつつ、けっしてそれに流されない、い
かにもフランス映画らしい気骨を感じさせるアクション映画だと思います。

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(アクション映画好きは必見! 手に汗握るスリルを体感したい方はぜひどう
ぞ。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2002年10月29日(火)シネマサンシャインにて。午後2時の回。


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