ＴＡＸｉ２(ＴＡＸｉ2)
(2000年 フランス)(上映時間１時間29分)
監督：ジェラール・クラブジック
出演：サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、マリオン・コティ
ヤール、エマ・シェーベルイ
＜ストーリー＞
スピード狂のタクシー運転手ダニエル（サミー・ナセリ）は、恋人のリリー（
マリオン・コティヤール）の父親で軍人のベルティノー将軍（ジャン=クリスト
フ・ブーヴェ）を空港まで送り届けたことから、来仏中の日本の防衛庁長官の
誘拐事件に遭遇。刑事エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)とともに
、犯人の日本人ヤクザから長官を救出しようと大胆な作戦を決行するが……。
＜レビュー＞
リュック・ベッソンがプロデュースしたフランス製、超エンターティメント・
ムービーの第２弾。今回も、バリバリ全開で楽しませてくれるゾ。
「パート２もの」にはつまらない作品が多いけれど、この映画は文句ナシにお
もしろい。 (^-^)
まずは「おバカ度」がググッとアップ。
スピード狂の運転手ダニエルと刑事エミリアン、マルセイユ警察のジベール署
長といった前作に登場したおバカさんたちが、今回も大ネタ、小ネタとりまぜ
て笑わせてくれる。なかでも、ジベール署長の「コンニチワ〜」「ニンジャ！
」なんていうアヤシゲな日本語が爆笑ものデス！
そして、今回、もう１人の困った人物が登場。ダニエルの恋人リリーの父親ベ
ルティノー将軍だ。ガンコでいかめしい軍人だが、どこかおマヌケで憎めない
このオジサン。嫌がる妻を相手に迫真の戦場シーンを再現して、自分の手柄話
を延々と聞かせる。「ホントにこんな将軍がいたら、戦争には絶対に勝てない
なぁ〜」と確信させてくれるとってもナイスな将軍なのだ。 (＾。^/)
もちろん、カーアクションもパワーアップ！ レース中のラリーカーまで追い
越しちゃうダニエルの愛車の改造プジョー406に加え、今回はハイテク装備満載
のVIP警護用特殊カー"コブラ"も登場。
この２台を中心に数えきれないぐらいたくさんの車が、ド派手に空を舞ったり
、衝突したり、追いつ追われつのカーチェイスを展開したり……。とうとうパ
リの街にパラシュート降下までしちゃうんだもん。
いやぁ〜、こりゃあもう、ただ拍手するしかないでしょ。(^-^)//""パチパチ
ストーリーの中心が、日本の防衛庁長官の誘拐事件だけに、日本人もたくさん
登場する。特に、ダニエルたちとともに犯人を追う女性ＳＰユリ（ツユ・シミ
ズ）が、ペトラ刑事（エマ・シェーベルイ）とともに見せるカラテ・アクショ
ンが楽しい。
まあ、日本に関するおかしな場面もあって（たとえば事件の黒幕のヤクザのボ
スの両側に、なぜか芸者さんみたいな女性が座ってたりとか……）、そのあた
りが批判されてるみたいだけどサ、個人的にはそんなに気にならなかったな。
この手のコメディー映画だと、いつもたいていメチャクチャな日本語も、それ
なりにきちんと使われていたしネ。
だいたいさぁ、この映画に出てくる人ってみんなアホじゃない？ 別に日本人
だけ特別にバカにされてるって感じでもないしさぁ。日本人も、フランス人も
、み〜んなまとめて笑っちゃってるんだもん。そんなに気にする必要ないと思
うな。
もしも、日本人差別のような悪意があったとしても、それはそれなりのバック
グラウンドがあるからでしょ？ そこを根本的に解決しないとな〜んにもなら
んと＜ぽち＞は思いますヨ。映画の細かなシーンをとりあげて、マユゲを吊り
上げてもねぇ……。
さてさて、この映画の正しい観方は、細かなことは考えないでとにかく笑っち
ゃうこと。観終わったあとで、何かが残るなんて期待しちゃダメ！
だって、ストーリーなんか支離滅裂だもん。なんで日本の防衛庁長官がマフィ
ア対策を視察に来るんだよ。そりゃあ、警察の仕事でしょーが！！ (＾0＾)
現実には絶対にないことばっかりなので、イチイチ気にしてたら頭と体がもち
ません。中身は空っぽだけど、とにかく楽しい映画。それを忘れないでネ。
そういえば、以前パリに行った時に、映画の看板がみんなハリウッド映画のも
のだったんでビックリしたっけ。それだけフランス映画は、地元でも盛り下が
っていたわけですねぇ。
そんな中で、ハリウッドで堂々と勝負しているリュック・ベッソンが、「フラ
ンスだってハリウッドに負けない映画がつくれるゾ！」と雄叫びをあげたのが
このシリーズなんじゃないかな。その心意気はとってもいいと思いますヨ。
ただし、ハリウッドのマネばっかりじゃ、それはそれで困っちゃうんだけど…
…。
《ぽちのおススメ度》
★★+1／2★
(まだまだ暑い夏をおバカ映画で笑い飛ばしてネ。)
＜ぽち＞