ティアーズ・オブ・ザ・サン(TEARS OF THE SUN)


(2003年 アメリカ)(上映時間1時間58分)
監督:アントワーン・フークア
出演:ブルース・ウィリス、モニカ・ベルッチ、コール・ハウザー、イーモン
・ウォーカー、ジョニー・メッスナー
*日劇PLEXほかにて全国公開
ホームページ http://www.movies.co.jp/tears/
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<ストーリー>
アメリカ海軍特殊部隊のウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)は、クーデ
ターが起きたナイジェリアから、アメリカ国籍の女医リーナ・ケンドリックス
(モニカ・ベルッチ)を救出するミッションを受け、部下とともに密林に降り
立つ。だが、リーナは患者を置いて逃げることを拒否。仕方なくウォーターズ
は彼女と患者をともに連れて行くが……。

<レビュー>
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敵VS味方の単純パターンが鼻につき、胸に迫る感動はナシ
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ブルース・ウィリス主演のシリアスな戦場ドラマ。
でも、なんだかねぇ〜。申し訳ないけれど、途中でイラついてしまいました。
中途半端でつまんなかったんだよなぁ〜。 (´ヘ`;)

最初はいいんです。
ナイジェリアでクーデータが起きて、アメリカ国籍の女医が危険だというので、
特殊部隊のウォーターズ大尉と部下がジャングルに降り立つ。
だが、女医は「せめて歩ける患者だけでも一緒に連れて行って!」と言って譲
らない。
そこで、大尉は彼女の言うことを聞く。ところが、いざヘリが来たら、現地人
は見捨てて女医だけ連れて行こうとする……。

設定はなかなかユニーク。
戦争、人道主義、主権侵害、命令違反などが交差する深いテーマを持った映画
です。
なのに、なのに、それが伝わってこないのはどうしてなのさ?? (・_・?)

だいたいウォーターズ大尉ったら、簡単に思い直しすぎ。命令遂行のためにあ
んな卑怯な手まで使った人が、女医に少し泣きつかれたぐらいで翻意するか?
あれで、もう彼がホントは良い人だってわかっちゃうんだもん。

ドラマってのはさぁ、登場人物が変化するからおもしろいんで、最初から良い
人ミエミエじゃつまんないでしょうが。
おかげで、あとで「俺は変わった」とか言っても説得力ナシ。 ┐(´-`)┌

てことで、ウォーターズ大尉の翻意=命令違反が原因で、兵士たちや女医さん、
それに患者たちが、ジャングルに取り残されちゃうわけです。
そこからは、彼らが、追いかけてくる反乱軍部隊から逃れて生き延びようとす
るサバイバル・アクションの要素が強くなります。

そこでは敵VS味方という単純なハリウッド的図式がミエミエで、「アメリカ
は強くて立派な国なのヨ」てな雰囲気があっちこっちに漂っています。
反乱軍とそうでない現地の人を描き分けたり、上官が大尉たちを見捨てるシー
ンを出したりして、それなりに工夫はしているものの、深いテーマを持つドラ
マとしては、とてもじゃないが素直に感動なんかできません。

戦争に対する告発をしたいのなら、もっとアメリカ兵が戦争そのものによって、
ドンドン追い詰められていく図式にしないとダメだと思います。あれじゃ、
ただのヒーローVSワルの単純オバカ対決。

だいたい、反乱軍の武器はもともとアメリカが政府に供給したものだって、映
画の中でも言ってるじゃん。自分で種まいておいて大騒ぎするなぁ〜〜!! 
と私は言いたい。 (`ヘ´)
それとも、他国の紛争に介入することを正当化するために、こんな映画をつく
ったのでしょうか? まさかねぇ?

とにかく、ドラマ的にはどうにもイケてません。戦争の残虐性や虚しさをきち
んと伝えていないし、大尉や女医の人間ドラマとしても弱すぎる。

その一方で、フツーのエンタメ映画として観れば、ソコソコは楽しめるかもし
れません。ジャングルのリアルな光景や過剰さを排したシリアスな演出、そし
て後半の激しい戦闘シーンなど、それなりに見応えはあります。

でも、そのへんも中途半端なドラマのおかげで、イマイチ突き抜けていかない
んだよなぁ〜。あーあ、じれったい。 (~ヘ~;)

どうせなら、戦争がどうのとか、人間ドラマがどうのとかはやめて、手に汗握
る単純オバカ・アクション映画に徹しちゃったほうがスッキリしたんじゃない
の?

と思ったら、この映画、もともと『ダイ・ハード』シリーズの一作として考え
られていたんですって。なーるほどねぇ。だから中途半端なんだよ、きっと。

ブルース・ウィリスは、いつものブルースです。別に論評するようなことはな
し。
それより、モニカ・ベルッチはゴージャスすぎてジャングルにはちっとも似合
わんぞ! (^0^)

ラストは結局アメリカ軍一体になっての大活躍。
そんなにアメリカは強いのか? なんせ世界の警察官だからねぇ〜。 GOD
 BLESS AMERICA! てか!?

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
(ドラマ的にも、アクションもイマイチ。とてもテーマ性とエンタメ性の融合
に成功したとはいえません。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年11月3日(月・祝)池袋HUMAXシネマズにて。午後1時50分の回。


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