テッセラクト(THE TESSERACT)
(2003年 イギリス・タイ・日本)(上映時間1時間36分) 監督:オキサイド・パン 出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ、サスキア・リーヴス、アレクサン ダー・レンデル、 カルロ・ナンニ、レナ・クリステンセン * 2004年6月日本公開 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> タイ・バンコクのあるさびれたホテル。午後5時47分、突然停電する。303号室 ではイギリス人の運び屋ショーン(ジョナサン・リース・マイヤーズ)が、タ イ・マフィアのボス、シア・トウを待っていた。同時刻、203号室では、シア・ トウを襲撃した殺し屋リタが腹部に傷を負いながら潜んでいた。同じ頃、停電 した客室ではベルボーイのタイ人少年ウィットが盗みを働く。そんな中、心理 学者のイギリス人女性ローザがこのホテルにやって来た……。 <レビュー> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 チンケなギャング映画だが、構成のユニークさと映像は見もの 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 タイの停電したホテルを舞台に、互いの関係に気づいていない登場人物たちが 皮肉な運命操られながら破滅に向かう様子を描いた作品。 原作は「ザ・ビーチ」の著者アレックス・ガーランドのベストセラー『四次元 立方体』。 監督はハリウッドでも評価されるタイの鬼才オキサイド・パン この映画がユニークなのは、イギリス人の運び屋、女性心理学者、女殺し屋、 ベルボーイの少年など、それぞれの視点で、時間をバラバラに切り離しながら 話を進めていくところ。それによって、ナゾがどんどん深まっていく。 しかも、一見無関係に見えた人々が、すべて相互に関わっていることがやがて 見えてくる。 斬新で鮮烈な映像も見応えタップリ。意表を突いたカメラアングルやテクニッ クで、ミステリアスさとスリリングさを高めています。 しかし、話自体は麻薬取引をめぐるチンケなギャングものみたいなので、ネタ がわかってしまうと「な〜んだ」となる感じ。 クライマックスは、女性心理学者と少年との交流を描いた後で、麻薬をめぐる スリリングな展開に持ち込んで、なかなか見せてくれるけれど……。 ユニークな構成と鮮烈の映像に、オキサイド・パンの才能は感じるけれど、全 体としてはそれほどの映画でもないという感じでした。 それにしても最初に大見得切った四次元映画ってなに? 最後の最後までよく わかりませんでした。時間軸がずれてるってだけのこと? 《ぽちのオススメ度》 ★★☆☆☆ (映像などは見応えがあるけれど、ネタはたいしたものじゃありません。ラス トも何だか唐突で……。) <ぽち> *2005年6月DVDにて鑑賞 |