タイタニック (TITANIC)


(1997年 アメリカ)
製作・監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼーン
、キャシー・ベイツ、フランシス・フィッシャー、ビル・パクストン

*【VIDEO】20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパンより発



<ストーリー>
1912年4月10日、豪華客船タイタニック号がイギリスのサザンプトン港からニ
ューヨークに向けて出発。出港直前にポーカーに勝ってチケットを入手した画
家志望の若者ジャックは、婚約者とともに乗船した名家の令嬢ローズとの許さ
れぬ恋におちる。しかし14日深夜、タイタニック号は北大西洋の氷河に衝突。
浸水で船が傾き始めるなか、乗客たちはパニックに陥る……。


<レビュー>
この年のアカデミー賞では、監督賞や作品賞をはじめ11部門を獲得したこの作
品。でも、もしも努力賞があったら、それがいちばんピッタリだったと思う。
いやいや、受賞するのは製作者ではない。189分間もスクリーンを見つめ続けた
観客のみなさんだ!

だって、とにかく長過ぎますよ。これ(笑)。
特に前半のレオ様とケイト・ウィンスレット嬢のラブ・ストーリーが長過ぎて
ダルい。時間をかけた割りには、メリハリもテンポもないし、二人の内面まで
よく描けていないから、とにかくツラかった。「早く船が沈まないかな」って、
そればっかり思ってました(笑)。

ジェームス・キャメロンってラヴ・ストーリーはヘタなのかなあ。船の舳先で
手を広げる例のシーンとか、印象的なシーンもいくつかあったけど、こっちに
伝わってくるものはあまりなかった。レオ様がケイト嬢のヌードを描くシーン
なんか、全然エロティックじゃないんだもの……。

ところが、これが船が沈み出すとスゴイ!
手に汗握る場面の連続で、ハラハラ、ドキドキ。まさにパニック映画のお手本
のような世界が展開される。スピード感にあふれた迫真の映像が、次々に目の
前に登場。劇場のスクリーンはもちろん、テレビ画面を通しても十分に圧倒さ
れてしまうのだ。

前半はどうもしっくりこなかった二人の関係も、後半はどんどん引き込まれて
いって、二人の別れのシーンなんか涙モノ。極限状態の中の怒涛の愛ってやつ
だな。
やっぱりキャメロン監督はこれでなくっちゃ。

何しろお金かけてますからね。史上最高の製作費2億ドルをつぎ込んで、全長
236メートルのタイタニック号をほぼ原寸サイズでスタジオに再現。衝突から沈
没までの1時間強のパニック状況をそのまま描いたっていうんだから。
その恵まれた条件を、見事に生かしきった演出の素晴らしさに脱帽。

なんかキャメロン監督の長所も短所も同時に出た作品っていう感じ。
前半のラヴ・ストーリーさえ切り抜ければ、後半は絶対に面白い。
初めのうちは、レオ様やケイト嬢になりきって、無条件に感情移入することを
おすすめします。そこさえ脱出すれば、そこには歓喜が待っている!(でも、
悲劇なんだけどサ)

《ぽちのおすすめ度》
★★★
(前半は★1個にしてやろうかと思ったぐらいですけど)
                                   <ぽち>


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