妖怪大戦争
| （2005年 日本）（上映時間２時間４分） 監督・脚本：三池崇史 出演：神木隆之介、宮迫博之、南果歩、成海璃子、佐野史郎、菅原文太、近藤 正臣、高橋真唯、阿部サダヲ、岡村隆史、田口浩正、遠藤憲一、石橋蓮司、忌 野清志郎、根岸季衣、蛍原徹、竹中直人、吉井怜、豊川悦司、栗山千明 ＊ 丸の内ピカデリー２ほかにて全国公開 ホームページ http://yokai-movie.com/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 両親の離婚後、鳥取の母親の実家に暮らすタダシ（神木隆之介）は、神社のお 祭りで世界平和をもたらすという「麒麟送子」に選ばれてしまう。大天狗の山 に登ったタダシは、そこで妖怪の猩猩やかっぱ、川姫などと出会う。彼らによ れば、魔人加藤保憲（豊川悦司）が、人間に捨てられ恨みを持った廃棄物と、 日本古来の妖怪を合体させた新種の悪霊「機怪」を作り、人類を破滅させよう としているという。妖怪たちはタダシに救世主になるように頼むのだが……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 大スペクタクル映画！……と思いきや、大人も子供も楽しめる妖怪コメディー 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「大人も子供も楽しめる映画」とはよくいわれるけれど、実際は大人がムリに 子供につきあったりしているもの。でも、この映画は本当に大人も子供も楽し める愉快な映画です。 (⌒-⌒) ストーリーは少年による冒険ファンタジー。 魔人加藤保憲（荒俣宏の『帝都物語』に登場するキャラ）が、妖怪と廃棄物が 合体した悪霊「機怪」を操り、人類滅亡をたくらむ。そんな中、平凡な少年タ ダシがひょんなことから妖怪たちに目をつけられ、人類を救うために打倒加藤 に立ち上がる……というお話。 アクションあり、笑いあり、涙ありのエンターティメントなのだが、とりわけ 目立つのは"笑い"。なんたって、妖怪映画なのに、出てくる妖怪がちっともコ ワくないのだ。かっぱ、ろくろ首、大天狗、小豆洗い、油すまし、ぬらりひょ ん、一反木綿などなど、おなじみの妖怪たちは、み〜んなおマヌケで、ユーモ ラスで、自然に笑えてしまうんだなぁ〜。 （＾▽＾） 小ネタのギャグも満載です。 たとえば、タダシたちが飛行機の翼に乗って東京に向かうシーンで、「危ない ので、良い子はマネしないでね」て、誰もそんなことマネしねぇヨ！！（笑）。 菅原文太演じるジイサンのボケぶりも良い味を出して笑いを誘います。 これって、完全なコメディー映画ですよねぇ〜。 豪華キャストも楽しいです。 日本映画界を代表する大スターから、吉本の芸人さん、はては、プロデュース チーム「怪」を結成し原案に参加している「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる、 「帝都物語」の荒俣宏、「姑獲鳥の夏」の京極夏彦、「理由」の宮部みゆきの ４センセイまでご出演。水木センセイに「戦争はいけません」と語らせるセン スが見事！！ ただし、出演者のほとんどが妖怪メークなので、よーく注意してみないと、誰 が誰やらわかりませんのでお気をつけくださいませ。 さて、コメディー的要素が強いとはいえ、天才子役、神木隆之介クン演じるタ ダシ少年の冒険ストーリーもきっちり描かれ、お子様たちは胸ワクワク。おま けに、タダシの友達の妖怪スネコスリがとびっきりキャワイイ〜〜〜〜ので、 ますますお子様たちは大喜び。 一方、ギャグの連続に大笑いのお父さんたちは、栗山千明演じるアギのコスプ レや高橋真唯演じる川姫のミニスカのセクシーショットにもウハウハ。 とくれば、お母さんは豊川悦司演じる加藤にノックアウトか！？ それにして はキモすぎるぞ豊川悦司（笑）。 とまあ、お父さんも、お母さんも、お子様も、みんな丸ごと楽しく観られる映 画ってワケ。 後半はタイトル通りに妖怪大戦争に突入だッ！！ と思いきや、これが戦争な んかではないのだ。ただの勘違いだっていうんだから人を食った話。祭りだ、 祭りだ、ワッショイ！！！ ＼(＾▽＾)／ それでも、迫力のバトルはちゃ〜んと用意されていて、クライマックスはタダ シ少年と加藤との命がけのバトル。でも、その結末もアラララララ……。これ また人を食った展開ではありませぬか。あずきはコワイぞ。気をつけろ〜 〜！！ ラストもなかなかシャレたオチです。タダシ少年の成長をキッチリ描いた後に ……。やっぱりヤツは不滅なのか！？ てなわけで、最初から最後まで遊び心タップリのこの映画。 監督はバイオレンスからテレビの２時間サスペンスまで何でも撮りまくる三池 崇史。"新生角川映画が送る一大スペクタクル"になるはずの作品を、こんなギ ャグ満載の笑える妖怪映画にしてしまうのだから、まったくスゴイ監督です。 コワイ妖怪映画を期待した人は大ハズレでしょうが、な〜んも考えずに親子で 楽しめるのは間違いナシ。夏休みにはピッタリコンの映画です。そこの親子連 れ、妖怪になんか用かい？ なんちゃって……。 (;^_^A 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ （脱力系の笑いがタップリの妖怪映画。少年の冒険ファンタジーもそれなりに キッチリ描かれています。親子で楽しめる映画） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年８月14日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時15分の 回。 |