黄泉がえり
| （2002年 日本）（上映時間２時間６分） 監督：塩田明彦 出演：草なぎ剛、竹内結子、石田ゆり子、哀川翔、山本圭壱、伊東美咲、忍足 亜希子、東新良和、長澤まさみ、市原隼人、ＲＵＩ、伊勢谷友介、寺門ジモン、 清水章吾、田辺誠一、 高松英郎、加茂さくら、北林谷栄、田中邦衛 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 九州阿蘇のある地域では、死んだ者が、死後も自分のことを想い続けてくれた 人の前に、突然現われる不思議な現象が続いていた。厚生労働省勤務の川田平 太（草なぎ剛）は故郷で起った謎の現象を解明するため現地に赴く。そこで、 川田は死んだ親友のフィアンセだった橘葵（竹内結子）と再会する。葵も恋人 の黄泉がえりを待ちわびていたが……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 塩田監督らしさはそれなりに発揮されたファンタジー 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 大お盆祭りかよ！ お盆になると死者の魂が帰ってくるというけれど、あなた、肉体までそのまん まで帰ってくるんですから。そんなのギャグだろうがッ！！！ と最初のうちは思っていたのだが、そこはさすがに『害虫』の塩田明彦監督で した。 死んだと思っていた人に、突然よみがえられた家族の喜びと戸惑い、よみがえ ってしまった本人の困惑などの心理を巧みに切り取っていくんです。 しかも、塩田監督らしく、ベタベタしない絶妙な距離感で。 でもって、そこにＳＭＡＰの草なぎ君（厚生労働省の役人には見えん ぞ！！！）と竹内結子との淡いロマンスを織り込んでいくワケ。 これは、なかなか切ないお話。特に後半、竹内の正体がじつは……とわかるあ たりから、胸にググッと迫ってきます。 塩田監督の抑制的な演出が素晴らしいし、『ジョゼ虎』の犬童一心監督らが加 わった脚本も、良くできています。最初のほうの伏線の張り方とかも見事だし。 ただなぁ〜、やっぱりこういう超メジャーな映画の限界はあるよなぁ〜。あり がちだったり、クドかったりする部分が。 クライマックスのコンサートシーンとか、３曲は長すぎでしょ。タイアップと か、いろいろあったんだろうけど。だいたいＲＵＩって誰？ なんか、全体にそういう余計なところや、都合よすぎのところが目だって、 「あーあ、やっぱりあっちゃこっちゃが絡んだ面倒な映画なのね」という気が してしまったのだ。 ま、これはこれでそれなりに良くできているとは思いますが、できればこれを 観た人は塩田監督の『害虫』『カナリア』などを観てみませう。彼の才能のほ どがわかります。 それにしても、竹内結子って死んだ人ばっかりやな……。（笑） 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ 〔鑑賞データ〕 2005年４月 DVDにて鑑賞。 （ぽち） |