誘拐犯(ＴＨＥ ＷＡＹ ＯＦ ＴＨＥ ＧＵＮ)
（2000年 アメリカ）（上映時間１時間59分）
監督・脚本：クリストファー・マッカリー
出演：ベニチオ・デル・トロ、ライアン・フィリップ、ジュリエット・ルイス、
ニッキー・カット、スコット・ウィルソン、ジェームズ・カーン
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＜ストーリー＞
その日暮らしを続けるロングボー（ベニチオ・デル・トロ）と相棒のパーカー
（ライアン・フィリップ）。ふとしたことから、大金持ちの石油王が代理母に
出産させる計画を知り、彼女を誘拐して身代金1500万ドルを要求する。だが、
石油王は実は裏社会の一員で、スゴ腕の殺し屋を差し向けてくる……。
＜レビュー＞
鉄砲の映画ですぅ〜！ ＼（＾Ｏ＾）／
ガン・アクションがス・ゴ・イのよん。
乱れ飛ぶ銃弾にみんなＫＯじゃあ〜！！！
『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家クリストファー・マックァリーの初監
督作品（もちろん脚本も本人）。
ロングボーとパーカーという２人のアウトローがある病院で、大富豪のチダッ
クが若い後妻のフランチェスカの代わりに、ロビンという代理母を雇って自分
の子を妊娠させたという話を聞きつける。２人は身代金目的で、ロビンの誘拐
計画を実行に移す。
護衛の猛追を振り切り誘拐に成功した２人だったが、そこで思わぬ事実が発覚
する。実はチダックは裏組織の一員だったのだ。
チダックは犯人たちに殺し屋を差し向ける。そこから両陣営が入り乱れた壮絶
な死闘が展開される……というストーリー。
「計画は完璧なはずだった……」（この映画のキャッチコピー）
って、オイオイ、どこがじゃ？ 相手の素性もよく知らないで誘拐しちゃうな
んて、うまくいくはずないでしょーがッ！！！
(▼、▼メ)
ま、そういう無鉄砲さもこの映画の魅力なんですけどネ。
なんといっても、出産間近の妊婦を誘拐しちゃうというアイデアがいい。しか
も、彼女は代理母、それも裏社会の大物の代理母なのだ。おまけに、彼女の妊
娠にはさらに大きな意外な秘密が隠されていたのだッ（どんな秘密かは内緒ヨ！）。
この二重三重の屈折した設定が、その後の展開をおもろしくしているん
ですねぇ〜。 (＾-＾)
誘拐から身代金要求と進むあたりでは、普通の誘拐事件かと思ったんですヨ。
ところが、その後、石油王の側に次々にクセモノが登場して、複雑な人間関係
が明らかになっていく。大事な妊婦をさらわれるという失態を演じたボディガ
ード、代理母に屈折した感情を抱く石油王の妻、ワケありらしい産婦人科医、
ベテランの運び役……。
この人たちの利害関係が入り乱れてて、さっぱりワケわからん。でも、それが
ドラマを緊迫した予想のつかないものにしている。
誘拐犯の２人も負けちゃいません。見るからにクセモノのベニチオ・デル・ト
ロと、美形のライアン・フィリップのコンビはかなりの破壊力。特に『トラフ
ィック』でオスカーをゲットしたベニチオの底の知れない表情は、個性派のワ
ルにピッタリ、ハマり過ぎだよ〜ん。
妊婦役のジュリエット・ルイスも、アクの強い役をウマクこなしちゃってます
ネ。ホント、出てくるヤツがみんな強烈な個性なんだ。 (*^。^*)
でも、最大の見どころはやっぱりガン・アクション！
ひたすら銃を撃ちまくるシンプルなシーンだけど、飛び交う弾丸の数のすさま
じさと対照的にクールなカメラワークのおかげで、怒涛の迫力がスクリーンの
こちら側を直撃ぃ〜!! (>_<")
前半は抑え目にして後半に一気に爆発させる構成も効果的。特にクライマック
スのメキシコの売春宿での銃撃戦は見応えタップリです。まるで昔の西部劇を
観ているみたい。
「バイオレンス映画の巨匠故サム・ペキンパー監督を超えたゾ！」なんて言う
人もいるみたいですネ。（ま、そこまでは行ってないと思うけど。）
ただし、全体のドラマを振り返ってみると消化不良の部分が多過ぎるゾ。
(｀ヘ´)
登場人物（特にギャング側）のクセモノぶりを見せつけるために、いろんなエ
ピソードをドコドコと盛り込んでいるんだけど、それがあまりにも多過ぎて中
途半端なの。そこでいきなりテンポがニブクなっちゃうしさぁ。
それとは反対に、ベニチオたち犯人側の心理は突っ込み不足。なんで彼らはあ
そこまでの執念で妊婦に関わり続けるの？ ただ金のためだけ？ それとも代
理母への同情？ そのへんはどーなんでしょ？ 描写のバランスが悪いから、
よくわかんないんだよネ。
ついでに言わせてもらえばさぁ（コラコラ、まだ言うか!?）、都合のいいシー
ンも多過ぎるゾ。冒頭の誘拐のシーンなんか、どう考えたってウマく行き過ぎ
だもん。
こういうのって、いかにもシナリオライターが監督した映画って感じ。あれも
これもと欲張り過ぎ。本人は満足なんだろうけど、観ているほうはたまんない
んだなぁ〜。お客、置いてけぼり！
てなわけで、結論としては、予想のつかない展開とガン・アンションの迫力で、
特にアクション・ファンにはオススメの作品。ただ、ドラマ的にかなり消化
不良の部分が多くて粗っぽいから、そのへんは覚悟して行ってネ。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）
（ガン・アクションの迫力とドラマの粗っぽさをプラスマイナスして、ギリギ
リ平均点ってとこかな。）
＜ぽち＞