|
ファイティン！（CHAMPION）
（2018年 韓国）（上映時間1時間48分）
監督・脚本：キム・ヨンワン
出演：マ・ドンソク、クォン・ユル、ハン・イェリ、チェ・スンフン、オク・
イェリン、カン・シニョ、ヤン・ヒョンミン、イ・ギュホ
＊シネマート新宿ほかにて公開
ホームページ http://fightin.ayapro.ne.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
子どもの頃にアメリカへ養子に出され、その後は孤独な人生を送るマーク
（マ・ドンソク）。アームレスリングのチャンピオンを目指すが、八百長疑惑
で除名され、クラブの用心棒をしていた。そんな彼を、自称スポーツエージェ
ントのジンギ（クォン・ユル）が韓国で行われる大会に誘う。それに応じて韓
国に渡ったマークは、実母の家を訪ねるが、そこには妹だというスジン（ハ
ン・イェリ）と2人の幼い子どもが住んでいた。一方、ジンギはサラ金とスポー
ツ賭博を営むチャンス社長に近づくが……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
マ・ドンソクの存在感が光る腕相撲選手の再起と家族のドラマ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
韓国で大ヒットしたアームレスリング（腕相撲）の選手のドラマです。主演の
マ・ドンソクは、日本でも注目されたゾンビ映画『新感染ファイナル・エクス
プレス』などで脇役として良い味を発揮していた役者。とにかく彼ありきの映
画なので、彼が好きか嫌いかでこの映画の評価も分かれそうです。
ドラマのスタートはアメリカ・ロサンゼルス。韓国人のマークという男がクラ
ブの用心棒をしています。彼は、もともとアームレスリングの頂点を目指す強
豪選手でしたが、八百長疑惑をかけられて除名されてしまったのです。
マークは自称スポーツエージェントのジンギという青年に誘われて、韓国で行
われる大会に出場するため韓国に戻ります。こうして祖国で数々の困難を乗り
越えて、アームレスリングの頂点を目指すマークの姿が描かれます。
そんなスポ根ドラマと同時に家族の絆のドラマも描かれます。マークは孤独な
男。幼い頃に韓国からアメリカに養子に出された過去を持ちます。そのため実
母に対して複雑な思いがあります。
マークは恐る恐る実母の家を訪ねます。するとそこには、幼い2人の子供が住ん
でいました。子どもたちの母親のシングルマザーのスジンは、マークの妹だと
いうのです。
こうしてマークが、初めて見る妹とその子どもたちと交流する姿が、じっくり
と描かれます。武骨なマーク、かわいらしい子どもたち。その微笑ましい交流
が、実に良い味わいになっています。しばらくはギクシャクした関係のままだ
った妹のスジンとも、あることをきっかけに距離を縮めます。
ところが、終盤にはある事実が発覚とます。マークの妹とその子どもたちには、
意外な秘密が存在していたのです。そのことが原因で、彼らは困難な局面に直
面します。それでもマークは、子どもたちとの約束を果たすために頂点を目指
します。
クライマックスはマークの最終決戦。強力なライバルの存在に加え、様々な横
やりが入るなどして事態は混沌とします。緊張感が最高潮に達する決勝のシー
ンは、この映画最大の見せ場。試合の合間に、過去の出来事なども挿入され、
ズンズンと感情が高まっていきます。そしてついに……。ラストは素直に感動
して、思わずウルウルきてしまいました。
スポーツ選手の再起物語に家族の絆ドラマを絡め、迫力、笑い、感動を詰め込
んでテンポよく描いた作品です。それにしてもマ・ドンソク。相変わらずいい
味出してます。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（85点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2018年9月20日（木）マスコミ試写（映画美学校試写室）にて
[「ふ」のページ]
|
|