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マイ・プレシャス・リスト（CARRIE PILBY）
（2016年 アメリカ）（上映時間１時間38分）
監督：スーザン・ジョンソン
出演：ベル・パウリー、ヴァネッサ・ベイアー、コリン・オドナヒュー、ウィ
リアム・モーズリー、ジェイソン・リッター、ガブリエル・バーン、ネイサ
ン・レイン
＊新宿ピカデリーほかにて公開
ホームページ http://my-precious-list.jp/
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＜ストーリー＞
ニューヨークのマンハッタンで暮らすキャリー・ピルビー（ベル・パウリー）
は、IQ185の超天才少女でハーバード大を飛び級で卒業した。だが、コミュニ
ケーション能力に乏しく、引きこもり気味で、読書するばかりの孤独な毎日を
送っていた。そんなキャリーにセラピストのペトロフ（ネイサン・レイン）は、
6つの課題が書かれたリストを渡し、クリアするように指示する。半信半疑なが
らも、それを実行しようとするキャリーだったが……。
＜レビュー＞
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空回りするイタい天才少女の成長物語
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空回りするイタい女性を描いた映画です。主人公のキャラ設定がユニーク。ニ
ューヨークのマンハッタンで暮らすキャリー・ピルビーは、IQ185の超天才少女。
ハーバード大を飛び級で卒業しています。それで何がイタいのか？
実は彼女はコミュニケーション能力ゼロ。自分が天才ゆえか人を見下して、減
らず口ばかり叩いています。そのため仕事もせずに引きこもり気味で、孤独な
毎日を送っています。
とはいえ、完全に孤独な現状に甘んじているわけではありません。どこかで絆
を求め、「このままでいいのか？」と疑問を抱いていることも、チラリチラリ
と顔を覗かせます。
主人公を演じるベル・パウリーがとびっきり魅力的です。大人なんだか子供な
んだかわからない、微妙な表情や言動の変化がこの役にピッタリ合っています。
実際に目の前に彼女がいたら、「ウザイなぁ」と思いつつも、何となく放って
おけなくなりそうです。
キャリーに変化をもたらす大きな要素は、セラピストのペトロフが彼女に渡す
リスト。そこには、６つの課題が書かれています。それをクリアすれば、彼女
の現状は変わるというのです。そこで、キャリーは半信半疑ながらも実行しよ
うとします。
それを通して、キャリーは様々な人と出会います。彼女が嫌々始めたバイト先
の社員たち、婚約者がいるのに迷っているエリート男、隣の家の風変わりな音
楽家などなど。そして、想定外のことも含めて様々なことを経験していきます。
それによって少しずつ彼女は変化していきます。ただし、直線的にポジティブ
な方向に向くわけではありません。行きつ戻りつしながら、あれこれ迷いなが
ら少しずつ前へ進みます。おかげで、彼女の変化がリアルに受け止められます。
同時に、彼女の過去のトラウマも見えてきます。大学教授との過去の恋愛。父
親との大きな確執。そうしたものを通して、天才という側面とは違う普通の女
の子としてのキャリーの姿が見えてくるのです。こうして、最初は観客には縁
遠い存在だったキャリーが、ドラマが進むにつれて身近な存在になっていきま
す。
終盤、キャリーにとって懸案だった父との関係が、もつれながらもある方向を
向きます。それはまさに彼女の成長を物語っています。世の中は複雑で割り切
れないけれど、だからこそ捨てたものではない。キャリーはそう理解したので
はないでしょうか。風変わりな恋愛の進展を描いたラストのエピソードも、心
を温めてくれます。
キャリーに共感しやすいのは女性でしょうが、男性にとってもなかなか面白い
映画だと思います。キャリーの成長物語であるのと同時に、ラブコメ的な魅力
も備えているので、気軽に観ても楽しめるはず。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2018年10月21日（日）ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後2時10分の回
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