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SUNNY 強い気持ち・強い愛
（2018年 日本）（上映時間1時間58分）
監督・脚本：大根仁
出演：篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、池田エライ
ザ、山本舞香、野田美桜、田辺桃子、富田望生、三浦春馬、リリー・フラン
キー、板谷由夏
＊TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開
ホームページ http://sunny-movie.jp/
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＜ストーリー＞
コギャルブームが巻き起こった1990年代に青春の真っただ中にいた、女子高生
６人の仲良しグループ"サニー"。それから20年以上が経ち、高校生の娘を持つ
専業主婦となっていた元メンバーの奈美（篠原涼子）は、リーダーだった芹香
（板谷由夏）と再会する。彼女は末期ガンで余命わずかだった。「死ぬ前にも
う一度みんなと会いたい」という芹香の願いをかなえるために、ある事件をき
っかけに音信不通となってしまったかつての仲間を再結集しようとする奈美だ
ったが……。
＜ストーリー＞
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オリジナルを生かしつつ独自の味わいを加えた楽しいリメイク版
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2011年に製作され、日本でもヒットした韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』
は、ノスタルジーと切なさと感動にあふれた素晴らしい映画でした。それを
『モテキ』『バクマン。』などでおなじみの大根仁監督がリメイクしました。
物語の主人公の奈美は専業主婦。母の見舞いに行った病院で、入院中のかつて
の仲間の芹香と再会します。1990年代、彼女たちは女子高生６人の仲良しグ
ループ"サニー"の一員でした。当時リーダーだった芹香は、末期ガンで余命わ
ずか。「死ぬ前にもう一度みんなと会いたい」という願いをかなえるべく、奈
美はかつての仲間を再結集しようとします。
大根監督は、韓国版の設定やストーリー展開の骨子をそのまま踏襲しています。
劇中で登場するエピソードもかなり共通しています。主人公の名前が奈美だと
いうのも、韓国版の主人公ナミを意識したものでしょう。リメイクというと、
あれこれ手を加えたくなるものですが、大根監督があえてそうしなかったのは、
それだけ韓国版の素晴らしさを理解し、リスペクトしているからでしょう。
とはいえ舞台は日本。そこで時代を1990年代に設定し、当時世間を席巻してい
たコギャルたちを主役に据えています。奈美がかつてのメンバーを探す現在進
行形のドラマと、彼女たちが高校生だった頃の過去のドラマが同時並行で進行。
両者のつなげ方は自然で、まったく違和感がありません。
過去のドラマでは、阪神淡路大震災で淡路島の田舎から東京の高校に転校して
来た奈美が、芹香たちと親しくなり、サニーのメンバーとしてダンスコンテス
トを目指すまでが描かれます。
そこで効果を発揮するのがコギャル。ルーズソックスにミニスカートで、いつ
も笑い、ハイテンションでにぎやかに過ごす彼女たち。そのキラキラ感が現在
進行形のドラマの切なさを倍加させます。
何しろ現在の彼女たちは、けっしてバラ色の人生ではありません。それぞれに
様々な問題を抱えています。それが過去の青春のキラキラ感との対比によって、
よりノスタルジックで切なく感じられるのです。
大根作品といえば、『モテキ』の長澤まさみをはじめ、女優がとびっきり輝い
ているのも魅力。今回も若き日のメンバーを演じた広瀬すず、池田エライザ、
山本舞香、野田美桜、田辺桃子、富田望生。そして今の彼女たちを演じた篠原
涼子、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、板谷由夏。いずれもが実に魅力的
に描かれています。
韓国版では、70〜80年代の懐かしの洋楽ヒット・ナンバーが効果的に使われて
いましたが、このリメイク版でも90年代の懐かしのヒット曲がふんだんに使わ
れています。
サニーの再結集は実現するのか。ネタバレになるので詳しくは伏せますが、最
後の場面は感動的。小沢健二の「強い気持ち・強い愛」をバックにした、サ
ニーのメンバーたちによるダンスシーンが心を直撃します。そして、最後の最
後に現れるあの人物……。
このあたりは韓国版の展開とほぼ同様。ただし、韓国版がここで余韻を残して
終わったのに対して、大根監督はその後に観客へのプレゼントを用意します。
韓国版にはなかった新旧のサニーのメンバーによるダンスシーンです。このキ
ラキラしたダンスが、韓国版とはまた違った味わいを加えています。大根監督
らしいエンタメ度の高いエンディングです。
原作の良さをそのまま引き継ぎ、大根監督らしい味付けをした点で、なかなか
よくできたリメイク版だと思います。ぜひ、オリジナルの韓国版も鑑賞してみ
てください。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2018年9月1日（土）ユナイテッド・シネとしまえんにて。午後2時25分の回
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