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食べる女
（2018年 日本）（上映時間1時間51分）
監督：生野慈朗
出演：小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シ
ャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香、ユースケ・サンタマリア、池内
博之、勝地涼、小池徹平、笠原秀幸、間宮祥太朗、遠藤史也、RYO、PANTA、眞
木蔵人、小島聖、宇田琴音、鈴木優菜、瀧福之助
＊丸の内TOEIほかにて全国公開
ホームページ http://www.taberuonna.jp/
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＜ストーリー＞
文筆家で古書店"モチの家"の女主人・餅月敦子（小泉今日子）。料理をこよな
く愛する彼女の家には、様々な悩みを抱えた女たちが集まってくる。幼なじみ
でごはん屋の女将・鴨舌美冬（鈴木京香）や恋愛にご無沙汰の編集者・小麦田
圭子（沢尻エリカ）、ドラマ制作会社の白子多実子（前田敦子）。さらに、彼
女たちの周辺には、料理下手で離婚の危機を迎えている外国人・豆乃・リサ・
マチルダ（シャーロット・ケイト・フォックス）、酔って行きずりの男と関係
を重ねる古着屋店員の本津あかり（広瀬アリス）、夫に去られたパーツモデル
の米坂ツヤコ（壇蜜）、バーの店長・茄子田珠美（山田優）などもいた……。
＜レビュー＞
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様々な女たちの恋愛事情を料理と絡めて描いた群像劇
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ベテラン脚本家・筒井ともみの短編小説集を自身が脚本を手がけて映画化しま
した。監督はかつてＴＢＳ社員として数々のヒットドラマを演出し、その後映
画監督として『手紙』などを監督した生野慈朗。
様々な悩みを抱える8人の女たちの群像劇です。その中心にいるのが文筆家で古
書店"モチの家"の女主人・餅月敦子。料理をこよなく愛する彼女の家には、
様々な悩みを抱えた女たちが集まってきます。
彼女たちの悩みは主に恋愛、つまり男関係について。美冬は、自分の店の若い
従業員に次々に手を出して店を去られています。圭子は、すっかり恋愛にご無
沙汰。多実子は、ときめかない男との関係を続け結婚を申し込まれています。
マチルダは、料理下手で離婚の危機を迎えています。あかりは、酔って行きず
りの男と関係を重ねています。ツヤコは2人の子供を抱え逃げた夫に未練たっぷ
り。珠美は、妊娠中だがその子の父は意外にも……。
というように、それぞれが複雑な事情を抱えているのです。ただし、深刻なド
ラマではありません。全体のタッチは明るく、ほんわかしています。ユーモア
も随所に散りばめられています。ツヤコが子供とともに別れた夫を訪ねるシー
ンなどは、女の情念を感じさせて背筋ゾクゾクものですが、そうしたシビアな
場面はそれほど多くありません。
この映画の最大の魅力は、やはり女優陣の豪華さ。よくもまあ、これだけバラ
エティーに富んだ女優たちを集めたものです。彼女たちの存在が各エピソード
に深みを与えています。それぞれの個性が十分に発揮され、無絶妙のハーモ
ニーを奏でています。
そして、この映画のもう一つの大きな魅力が料理です。タイトル通りに、女た
ちは美味しい料理を作り食べます。「美味しい料理と愛しいセックス」には相
関関係があるというのが、この映画のコンセプトのようです。
ドラマの進行とともに少しずつ変化する女性たち。やがて、ほんわかと温かな
余韻を残してエンディングを迎えます。そこからは、女性たちのおおらかさと
たくましさも伝わってきます。
というわけで、豪華女優陣と美味しそうな料理を堪能する映画です。驚きや興
奮、深い思考を促す場面などはありませんが、心にそよ風が吹いて、足が地に
着いた生活の大切さを痛感させられました。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（84点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2018年9月23日（日）シネマサンシャイン池袋にて。午後2時の回
[「た」のページ]
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