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芳華-Youth-（芳華 YOUTH）
（2017年 中国）（上映時間2時間15分）
監督：フォン・シャオガン
出演：ホアン・シュエン、ミャオ・ミャオ、チョン・チューシー、ヤン・ツァ
イユー、リー・シャオファン、ワン・ティエンチェン、ヤン・スー、チャオ・
リーシン
＊新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほ
かにて公開
ホームページ http://houka-youth.com/
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＜ストーリー＞
1976年、17歳のシャオピン（ミャオ・ミャオ）はダンスの才能を認められ、歌
や踊りで兵士たちを慰労し鼓舞する文工団に入団する。農村出身で周囲となじ
めない彼女にとって唯一の支えは、模範兵のリウ・フォン（ホアン・シュエ
ン）だった。だが、ある事件をきっかけに、2人の運命は大きく変化する……。
＜レビュー＞
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切なさとノスタルジーをかき立てる中国の青春大河ドラマ
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ゲリン・ヤンの同名小説を『女帝
［エンペラー］』『唐山大地震』『戦場のレ
クイエム』などのベテラン監督フォン・シャオガンが映画化しました。
1970年代の激動の中国を舞台に、軍の「文芸工作団（文工団）」に所属する若
者たちを描いた青春群像劇。文工団とは、歌や踊りで兵士たちを慰労したり鼓
舞する歌劇団のこと。団員は歌や踊り、演奏などの訓練を日々行っています。
1976年、その文工団に17歳のシャオピンがダンスの才能を認められて入団しま
す。農村出身で家庭にも恵まれない彼女は、ある出来事がきっかけでいじめら
れるようになります。そんな彼女にとって唯一の支えは、模範兵のリウ・フォ
ンでした。
とくれば、これはもうシャオピンの初恋物語。とはいえ、それが素直にかなう
ことはありません。リウ・フォンには別に好きな団員がいて、彼女に告白を。
しかし、そのことがもとでリウ・フォンは文工団を追われて、軍の前線へと送
られます。さらに、シャオピンも文工団を去ることになります。
そんな2人に加え、様々な団員たちの青春模様が描かれます。それはまばゆいば
かりのキラキラ輝く青春。もちろんそこには悩みや苦しみもあります。恋愛、
友情、対立、挫折、失意……。青春の光と影がビビッドにスクリーンに刻み付
けられています。
冒頭で文工団の団員たちが踊るダンスなど、見せる工夫もたくさんあります。
鮮やかな色調やケレン味たっぷりの映像も全編に散りばめられています。テレ
サ・テンの楽曲を効果的に使うなど音楽も巧みに配されています。それらがド
ラマをより魅力的に際立たせます。
何十年にも渡る出来事が描かれる大河ドラマだけに、唐突な展開や省略も目立
ちますが、それでも巧みな演出によって、観ているうちに次第に心が動かされ
ます。
ドラマの背景として中国の激動の時代も織り込まれています。文化大革命、毛
沢東の死去、毛沢東の妻・江青ら四人組の失脚、そして中越戦争。登場人物た
ちは、それらの荒波に翻弄されます。そのことが切なさとノスタルジーを余計
にかき立てていきます。
途中からドラマの舞台は中越戦争へ。そのパートは戦争映画そのものです。そ
して、そこでの出来事も若者たちを翻弄。韓国ドラマも真っ青の波乱万丈さで
す。
終盤は、若者たちのその後を描きます。彼らも年をとり、もはやあの若き日の
輝きは二度と戻りません。それでも、そこには変わらないものが確実にありま
す。さらに、最後の最後にシャオピンの秘めた思いがリウ・フォンの人生と交
錯して、温かで穏やかな余韻を残します。
キラキラした青春の輝きと挫折、歳月の重さが、観客の切なさとノスタルジー
をかき立ててくれる映画です
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2019年4月13日（土）YEBISU GARDEN CINEMAにて。午後1時35分の回
[「ほ」のページ]
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