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十三人の刺客
（2010年 日本）（上映時間2時間21分）
監督：三池崇史
出演：役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、六角精児、石
垣佑磨、高岡蒼甫、波岡一喜、近藤公園、窪田正孝、伊原剛志、松方弘樹、吹
石一恵、谷村美月、斎藤工、阿部進之介、光石研、内野聖陽、岸部一徳、平幹
二朗、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親
＊TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://13assassins.jp/
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＜ストーリー＞
江戸時代末期。将軍・家慶の弟で明石藩主・松平斉韶（稲垣吾郎）は、罪なき
民衆を平気で殺すなど残虐の限りを尽くしていた。そんな暴政を訴えるため、
明石藩江戸家老・間宮が切腹する。この事件を受けて、老中・土井利位（平幹
二朗）は、御目付・島田新左衛門（役所広司）に斉韶暗殺の密命を下す。新左
衛門は、甥の新六郎をはじめ11人の男たちを刺客として集め、入念な計画を練
り上げていく。だが、斉韶の腹心・鬼頭半兵衛（市村正親）は、その動きを察
知し、斉韶を守ろうとする……。
＜レビュー＞
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サービス精神満点の痛快エンタティメント時代劇
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片岡千恵蔵主演、工藤栄一監督による1963年の時代劇の傑作を三池崇史監督が
リメイク。老中の極秘指令を受けて、将軍の弟で残虐な暴君を倒すべく集まっ
た13人の刺客たちの活躍を描いた痛快時代劇です。
冒頭に「原爆が投下される100年前……」というようなテロップが出るので、何
か社会的なメッセージでもあるのかと思ったら、それほどのことはありません
でした。武士という階級の虚しさや、民衆をないがしろにする暴君への批判な
ども登場しますが、心に強く響くほどのメッセージではありません。
その代わり、エンターティメントとしては見応え十分。何が何でも観客を楽し
ませようとする三池崇史監督らしいサービス精神満点の映画です。
藩主の暴君ぶりを訴えるために、家老が切腹したことを受けて、老中が島田と
いう武士に密かに藩主の殺害を命じます。命令を受けた役所広司演じる島田は、
仲間を集めます。この連中が実にバラエティーに富んだ面々。昔の撮影所の香
りを残す松方弘樹から、沢村一樹、古田新太、伊原剛志、高岡蒼甫、『相棒』
シリーズの六角精児に至るまで、演じる役者たちの顔ぶれを見ただけで、その
多彩さがわかります。
その後、島田たちは、参勤交代の大名行列をねらって作戦を練り上げ、実行に
移していきます。その過程では、最後の13人目の刺客として伊勢谷友介演じる
山の民も加わります。
それに対して、主君側でも、島田たちの計画を察知した腹心の鬼頭が中心とな
って、対抗策を画策します。その背景には、島田と鬼頭のライバル関係なども
描かれます。
島田たちが決戦の場所に選んだのが、ある宿場。村ごと買い上げて、そこに
様々な仕掛けを施して主君一行を待ち受けます。
ここまででも時代劇の醍醐味が満載。おまけに山の民をネタにしたエッチなエ
ピソードなどの笑える要素も盛り込んで、観客を楽しませます。
そして、いよいよ迫力満点の50分にわたるバトルシーン。島田たちはわずか13
人、それに対して主君側は300人近く。そんな劣勢をひっくり返すために、あっ
と驚く奇襲作戦が次々に登場します。
さらに、その後は圧巻の斬り合い。無数の敵を相手に刺客たちが斬って斬って
斬りまくります。ただし、この斬り合いはやや長すぎる感じ。奮闘むなしく死
んでいく刺客たち一人ひとりに見せ場を用意しますが、ここまで長いと間延び
してしまうのでは？
とはいえ、エンターティメントとしては十分に面白い映画だと思います。特に
主君を情け容赦なくワルに描いたのが大正解。その常軌を逸した残虐さはもは
や狂気の世界。それを稲垣吾郎に演じさせる意外なキャストも効果的。彼の徹
底したワルぶりが、観客を刺客たちに感情移入させ、この映画を面白くしてい
ます。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（何にも考えないで楽しめる痛快エンタティメント時代劇。それほど時代劇が
好きな人でなくても楽しめます。）
（田中ひろあき（ぽち））
2010年9月26日（日）池袋HUMAXシネマズ4にて。午後1時10分の回
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