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16ブロック（16 BLOCKS）
（2006年 アメリカ）（上映時間1時間41分）
監督：リチャード・ドナー
出演：ブルース・ウィリス、モス・デフ、デヴィッド・モース、ジェナ・ス
ターン、ケイシー・サンダー、シルク・コザート、デヴィッド・ザヤス
＊渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.sonypictures.jp/movies/16blocks/
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＜ストーリー＞
酒浸りの冴えない日々を送っていたＮＹ市警のジャック・モーズリー刑事（ブ
ルース・ウィリス）は、夜勤明けのある日、上司から証人エディ・バンカー
（モス・デフ）を16ブロック先の裁判所まで護送してほしいと頼まれる。渋々
引き受けたジャックだが、車で移送する途中にエディが何者かに襲われる。エ
ディを助け出したジャックは仲間に応援を要請するが、現れた同僚刑事フラン
ク（デヴィッド・モース）の口からは、意外な事実が告げられる……。
＜レビュー＞
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ヨレヨレ刑事とおしゃべり証人の緊迫の逃走劇にドキドキ！
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嫌々ながらモメごとに巻き込まれる刑事といえば、『ダイ・ハード』シリーズ
のマクレーン刑事を思い出しますが、同じブルース・ウィリスが演じたこの映
画の主人公ジャック・モーズリー刑事は、あんなカッコいいスーパーヒーロー
ではありません。
何しろこちらはほとんどアル中状態。窓際で大した仕事もさせてもらえない。
夜勤明けで帰宅しようと思ったら、「わずか16ブロック先に証人を護送するだ
けだから」と仕事を押し付けられる。簡単な仕事のはずがあらららら……てな
お話です。
証人エディ・バンカーを消そうとするヤツらから、モーズリー刑事＆エディが
必死で逃げようとする逃走劇なワケですが、これがかなりスリリングなんです
ヨ。
護送中の警察車両から始まって、迷路のようなチャイナタウン、そして乗客を
たくさん乗せたバスと舞台を変えつつ、あれやこれやで追っ手から逃れようと
します。え？ そんなことしてどうするの？ てな意外な展開もタップリ。
事件の黒幕は意外な連中で、コイツらが執拗にモーズリーたちを追ってくるか
ら、ますますスリリング。しかも、エディは10時までに到着して証言しなけれ
ばいけないというタイムリミットもあるから、なおさらハラハラです。
さらに、ただハラハラさせるだけでなく、実はこの事件の裏にモーズリーにと
って大きな過去の傷が関係していることが明らかになってきます。
同時に、この逃走劇を通して、最初は敵対し合っていたモーズリーとエディに、
友情らしきものが生まれる様子も描かれます。モーズリーは極端に寡黙で、エ
ディは速射砲のように喋りっぱなしというキャラクターも効果的。
迫力のカメラワークも、スリリングさを煽ってクライマックスまで一瞬も緊張
感が途切れません。
クライマックス近くの救急車のアイデアもいいですねぇ〜。その後のドンパチ
もかなりの迫力です。
そして、ラストはさりげない感動まで与えてくれるというのだから、何とも心
憎い。「人間は変われるんだ！」という自然なメッセージまで込めちゃうんで
すから、いやはや。
最近はヨレヨレ役がけっこう似合うブルース・ウィリス。それでも、やるとき
はけっこうやります。証人役のモス・デフの個性的な演技もピッタリ。そして、
同僚刑事役のデヴィッド・モースのスゴミも印象的でした。『ダンサー・イ
ン・ザ・ダーク』とか『グリーンマイル』とか、けっこうシブイところ見せる
んですよね。この人。
監督は『リーサル・ウェポン』シリーズのリチャード・ドナー。ツボを押さえ
た巧みな演出です。
このテの映画の命であるスリリングさはもちろん、さりげないドラマも描くな
ど、かなり見応えあるサスペンス・アクションです。最近のハリウッドのエン
タメ映画って、超大作よりこういうほうがおもしろいかも。
「人間は変われる」という例として、劇中に名前が登場するバリー・ホワイト
の曲がエンディングに流れるのも、何とも憎いですねぇ〜。 （￣∇￣）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（サスペンスとしてのハラハラ度はかなりのもの。さりげないドラマもあって
お得な映画です。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年10月22日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の回
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