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30デイズ・ナイト（30 DAYS OF NIGHT）
（2007年 アメリカ）（上映時間1時間53分）
監督：デビッド・スレイド
出演：ジョシュ・ハートネット、メリッサ・ジョージ、ダニー・ヒューストン、
マーク・ブーン・Jr.、ベン・フォスター、マーク・レンドール、アンバー・セ
インズベリー、マニュ・ベネット、ミーガン・フラニッチ、ジョエル・トベッ
ク、エリザベス・ホーソーン、ナサニエル・リーズ
＊新宿ミラノほかにて全国公開中
ホームページ http://www.30days-night.jp/
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＜ストーリー＞
アラスカ州に位置するアメリカ最北端の街バロウでは、太陽が24時間昇らない
日々が30日間続く極夜のシーズンを迎えた。その初日、この街に２人しかいな
い保安官のエバン（ジョシュ・ハートネット）と妻のステラは、不可解な事件
に出くわす。やがてナゾの集団が、住民たちを次々に襲い始める。彼らは極夜
の時期を狙って入り込んだヴァンパイアだった。陸の孤島となった街で、わず
かに生き残ったエバンたちは生き残る術を探すのだが……。
＜レビュー＞
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設定のユニークさと映像美が光る吸血鬼映画
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サム・ライミ製作による吸血鬼もののホラーです。アラスカの雪に閉ざされた
町に吸血鬼たちが現れて、次々に人間を襲います。それに対して、保安官のエ
バンと離婚しかかっている妻が、残った住民ともに何とか生き延びようと奮闘
します。
ユニークなのは、舞台となる町が冬の一ヶ月間、日が昇らずにずっと夜だとい
うところ。おかげで太陽に弱い吸血鬼の弱点が帳消しになって、昼夜関係ナシ
に大暴れできるわけ。つまり、彼らに狙われる住民から見れば、まったく息を
抜くことができずに、どんどん追い詰められるのです。
しかも、そうした住民たちの緊迫感を映像が煽ります。オープニングの雪原の
シーンから、重たくて不気味な雰囲気が漂います。手持ちカメラで被写体に接
近した不安定な映像が、観客の神経を揺さぶります。冷たくて暗い町の空気も
リアルに伝わってきます。
そして、映像には独特の美しさもあります。特に、真っ白い雪に赤い血という
コントラストを生かした映像が印象的。吸血鬼映画だけに、人間を襲うシーン
などはかなりエグくて血がドバドバ流れますが、映像の美しさがそうした凄惨
さを中和してくれます。
さらに、細部もかなり凝った作り込み方。吸血鬼の姿がダサダサだったりした
ら、これはもう笑ってしまうしかありませんが、そこも抜かりはありません。
人間と獣をミックスした不自然でない容貌で、恐怖を盛り上げていきます。
アクションの要素が強くなるクライマックスをはじめ、後半はかなり強引な展
開も目立ちます。特にクライマックスは、すごい力ワザ。ああいう悲劇のヒー
ロー的な展開に持っていくのはよくあるパターンですが、あんな反撃を試みる
とは……。でも、まあ、そんなに違和感はありません。ソツのない終わり方。
主演のジョシュ・ハートネットは相変わらず何にでもハマる感じですね。
途切れない緊迫感と映像美はかなりのもの。吸血鬼映画としてはけっこうポイ
ントの高い映画です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（緊迫感にあふれた吸血鬼映画。映像も見応えがあります。ゾクゾクしたい方
はぜひ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年8月22日（土）新宿ミラノにて。午後2時15分の回
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