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３時１０分、決断のとき（3:10 TO YUMA）
（2007年 アメリカ）（上映時間2時間2分）
監督：ジェームズ・マンゴールド
出演：ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル、ピーター・フォンダ、グレ
ッチェン・モル、ローガン・ラーマン、ベン・フォスター、ヴィネッサ・ショ
ウ、アラン・テュディック、ダラス・ロバーツ
＊新宿ピカデリーほかにて公開
ホームページ http://www.310-k.jp/
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＜ストーリー＞
元は狙撃の名手だったが、南北戦争で片足を負傷して不自由となったダン・エ
ヴァンス（クリスチャン・ベイル）は妻と２人の息子とともに、アリゾナで小
さな牧場を営みながら暮らしていた。しかし干ばつ続きで、生活は苦しくなる
一方。そんなある日、ダンは強盗団のボスのベン・ウェイド（ラッセル・クロ
ウ）が保安官に捕まる現場に居合わせる。ウェイドは裁判所のあるユマへ連行
されることになり、そのためにユマ行きの列車が出発する３日後の午後3時10分
までに、遠く離れた駅に送り届けられることになった。ダンは報酬目当てに危
険な護送役を引き受けるのだが……。
＜レビュー＞
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２大スターの火花散る対決が見もののスリリングな西部劇
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ラッセル・クロウ＆クリスチャン・ベイル共演の西部劇。1957年の『決断の3時
10分』のリメイクだそうです。監督は『ウォーク・ザ・ライン／君につづく
道』のジェームズ・マンゴールド。
貧乏な農場主が、ひょんなことから囚人の護送を依頼され、金のためにそれを
引き受けます。３日後の3時10分の列車に乗せるために、様々な困難を乗り越え
て目的地に向かうのですが……。
様々な魅力が詰まったなかなか面白い西部劇です。
まずはガンファイトをはじめとする西部劇としての魅力。囚人ベンの強盗団の
仲間をはじめ数々の敵が登場し、護送役のダンを追い詰めます。形勢有利から
一転してギリギリの状態へ、と思ったら再度の大逆転が……というようなハラ
ハラドキドキの展開がタップリ。特に後半になるとスリリングさがどんどん加
速します。
また、男と男の奇妙な友情物語も魅力です。悪党ではあるものの複雑な表情を
持つ囚人のベン。家族のために必死で任務を果たそうとする農場主のダン。含
蓄に富んだ２人のやりとりは見ごたえ十分。何しろ演じているのがラッセル・
クロウ＆クリスチャン・ベイルですから。途中では、『羊たちの沈黙』のレク
ター博士とクラリス捜査官を想起させるサイコなシーンもあって、背筋がゾク
ゾクしてきました。
さらに、親子のドラマも盛り込まれています。息子に対して何も誇れるものが
ない父親ダンが、何とかしていいところを見せようとする生き様が感動的です。
彼がなぜ不毛の土地にしがみつくのかという理由も、涙を誘います。
クライマックスは、手に汗握る緊迫のシーンの連続。そして、壮絶なガンファ
イトの末に２人の男が下した決断とは……。
ベンと酒場女との一件など不要と思えるエピソードもあったりして、ツッコミ
どころもないわけではありませんが、それでもかなり楽しい西部劇で満足でき
ました。
それにしても、2007年の映画で初登場全米１位のヒット作というのに、公開が
今頃なのはなぜ？ やっぱり最近人気のない西部劇だからでしょうか。西部劇
でもこういう映画ならウケると思うんですけどね。まあ、アメリカでもメジ
ャーが製作に乗ってこずに、監督が自分のプロダクションで製作したらしいで
すが。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（２大スター共演で、いろいろな魅力が詰まった映画。西部劇があまり好きで
ない人でも楽しめそうです。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年6月15日（月）松竹試写室にて。午後3時30分
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