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40歳の童貞男（THE 40 YEAR OLD VIRGIN）
（2005年 アメリカ）（上映時間１時間56分）
監督：ジャド・アパトウ
出演：スティーヴ・カレル、キャサリン・キーナー、ポール・ラッド、ロマ
ニー・マルコ、 セス・ローゲン、エリザベス・バンクス、レスリー・マン
＊ ユナイテッド・シネマとしまえんにて公開
ホームページ http://www.eiga.com/official/40DT/
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＜ストーリー＞
家電量販店で働くアンディ（スティーヴ・カレル）は、フィギュア収集やテレ
ビゲームを愛する40歳の独身男。ある日、ひょんなことから自分が童貞である
事実を仕事仲間に打ち明けてしまう。すると、仲間たちは、アンディに初体験
をさせようと余計なお世話を焼き始める。そんな中、アンディはネット競売の
仕事をしているトリシュ（キャサリン・キーナー）という女性と知り合うのだ
が……。
＜レビュー＞
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下ネタ満載のオバカコメディーと思いきやステキなロマンスもある温か映画
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全米で思わぬ大ヒットとなったものの、超有名な役者の出演もなく、日本では
細々と公開の映画です。
主人公アンディはタイトル通り、40歳で童貞、フィギュア集めやゲームが大好
きのオタク。そんな彼が、ある日、自分が童貞だと告白したことから、家電店
の同僚たちが何とか彼に初体験させようとします。
主人公はかなりヘンテコなキャラですが、周囲の人たちもヘンテコです。特に
３人の同僚はみんなコワれてます。しかもエロ全開です。話はほとんど下半身
のことばかりです。
というわけで、オゲレツな下ネタが連発するオバカコメディーの様相を見せて、
映画は進んでいきます。オゲレツとはいえ、目を覆いたくなるような下品さの
手前でビミョーに寸止めしているし、そのへんを受け流せれば、けっこう笑え
てしまいます。
主人公のスサマジイ胸毛の脱毛に、友人たちが変な店に連れて行くところなん
て、もう爆笑でしたね。 （＝⌒▽⌒＝）
しかし、いくら笑えるとはいえ、こんなオバカなだけの映画が全米でヒットし
たのか？ アメリカの観客のレベルってそんなに低いのかなぁ〜、と思ったら、
それが大違い。
アンディの前に、ネット競売の仕事をしているトリシュという女性が出てくる
ところから、少しずつ雰囲気が変わってきます。コワれた友人たちが、アンデ
ィに初体験させようとデタラメなことをしかける構図は相変わらずですが、そ
こにまともなドラマの要素が加わってくるんですよねぇ〜。
トリシュのある秘密の存在がわかって、そこからアンディと彼女とのステキな
ロマンスが浮かび上がってくるんです。それは女性に縁のなかったアンディに
とっても、さまざまな過去を背負ってきたトリシュにとっても、実にピュアな
恋愛ドラマ。しかも、そこに家族づくりという要素も加わってきます。
主人公の成長物語もきちんと描かれます。最初はただのヘンテコ男だったアン
ディが、いつの間にかたくましくなっているじゃありませんか。ちょっぴりだ
けど。
そんなに「セックス、セックス」って言わなくてもいいじゃん。男と女にはも
っと大切なものがあるんだよ、観ているうちにそんなメッセージまで伝わって
くるのですヨ。
お下品ネタ満載のただのオバカコメディーで始まった映画を、ごく自然にこん
なふうに展開させていくなんて、この監督さんなかなかの手腕です。これまで
は『ディック＆ジェーン／復讐は最高！』などジム・キャリー主演作の脚本を
手がけてきたそうです。
しかも、ラストはちゃんと主人公の童貞問題にまで決着をつけたうえ、なんと
まあ愉快なミュージカルで結ぶという意外性。観終わるとハッピーで、心がポ
カポカしてくること間違いなし！！ （●⌒∇⌒●）
監督がその世代なのか、80年代のヒット曲が満載の音楽も楽しい。特に主人公
の部屋に「エイジア」のポスターを貼っておきながら、楽曲はクライマックス
までとっておくあたり。なんだか憎いなぁ〜。
主人公アンディ役のスティーヴ・カレルは、『ブルース・オールマイティ』
『奥様は魔女』などにも出演していて、今回は脚本と製作総指揮にも名前を連
ねています。いかにもオタクっぽい演技が絶品。
トリシュ役のキャサリン・キーナーは、『マルコヴィッチの穴』『カポーテ
ィ』でアカデミー賞にノミネートされています。若い女性にない魅力とピュア
な心を巧みに表現しています。
ただのオバカコメディーと思って観たら、意外や意外、ハートがポカポカして
くる、とっても後味の良い映画でした。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（下ネタは多いものの、笑って、最後はハッピーになれるハートウォームな映
画。温かな気持ちになりたい方はぜひどうぞ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年9月4日（月）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後8時の回
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