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９＜ナイン＞ 〜９番目の奇妙な人形〜
●『９＜ナイン＞ 〜９番目の奇妙な人形〜』（９）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間20分）
監督・原案：シェーン・アッカー
声の出演：イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、アラン・オッペン
ハイマー、トム・ケイン、クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー、
ジョン・C・ライリー
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://9.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
古びた研究室で、麻布を縫い合わせて作られた人形が目を覚ます。腹部には大
きなジッパー、背中には「9」というマーク。自分が何者かわからない人形が外
に出てみると、そこは廃墟の世界だった。まもなく、背中に「2」と描かれた自
分と同じような人形に出会うが、2人は巨大な機械獣に襲われる。「2」はさら
われてしまい、「9」は他のナンバーをつけた人形たちに助けられるのだが……。
＜レビュー＞
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独特の雰囲気の人形とハリウッド流エンタメの融合
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2005年のアカデミー賞にノミネートされた同名短編アニメーションをティム・
バートンが気に入り、自ら製作を務めて長編映画化した作品。
ストーリーはけっして目新しくありません。マシンの反乱によって人類が滅亡
した世界。目覚めた人形が仲間とともに機械獣と戦うというお話。未来世界を
描いたＳＦです。
最大の見どころはアクションです。人形たちとマシンとのバトルを中心に、ス
リリングなアクションシーンが続出。テーマパーク的なお楽しみが味わえます。
これを実写でやったなら、よくあるハリウッドのエンタメ映画でしかなかった
はず。それをアニメ、しかもユニークな人形を登場人物にして描いたことで、
他にはあまり見ない独特の世界が生み出されています。
何しろこの人形ときたら、麻袋で作られたもの。主人公の「9」のお腹には大き
なジッパーがあります。ヨーロッパのアニメに登場しそうな、素朴でちょっと
不気味な雰囲気の人形。いわゆるキモカワイイ感じ！？
「9」の他にも8体の人形が登場しますが、いずれも外見も性格も個性的な面々。
彼らが対立したり、協力しながら、機械獣たちに立ち向かっていきます。
人形の動きや表情などもスムーズだし、荒廃した世界のダークなタッチも魅力。
細かなところまでこだわって作られています。
この物語には、自分が何者かわからない人形たちの、自分探しの物語という側
面があります。また、科学の進化の果ての機械の反乱というテーマ性もありま
す。さすがにこれだけアクションが前面に出ていると、そのあたりの描き方は
深くはなりませんが、それでも背景としてはきちんと描かれています。
クライマックスは、人形たちがなぜ作られたのかが明らかになり、詩情あふれ
る美しいラストへと続きます。ここも見応えのあるシーンです。
声の出演は、イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、クリストフ
ァー・プラマーなどなかなか豪華なキャスト。
独特の雰囲気を持つ人形とハリウッド映画のエンタメ性という取り合わせが、
新鮮に感じられます。いかにもティム・バートンが好みそうな個性的なアニメ
映画です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（手づくり感あふれる人形が良い味を出している独特のアニメ。映像も魅力的
です。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年5月8日（土）新宿ピカデリーにて。午後1時40分の回
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