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96時間（TAKEN）
（2008年 フランス）（上映時間1時間33分）
監督：ピエール・モレル
出演：リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、リーラ
ンド・オーサー、ジョン・グライス、デビッド・ウォーショフスキー、ケイテ
ィ・キャシディ、ホリー・バランス、オリビエ・ラブルダン、ザンダー・バー
クレイ
＊TOHOシネマズ有楽座ほかにて全国公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/96hours/
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＜ストーリー＞
アメリカの元秘密工作員ブライアン（リーアム・ニーソン）は、別れた妻レ
ノーアと暮らす17歳のひとり娘キムのことが心配でたまらなかった。やがて、
親友と海外旅行へ行きたいというキムに押し切られ、渋々パリ行きを承諾する
ブライアン。ところが、彼女たちは何者かに誘拐されてしまう。元秘密工作員
の知識と行動力で犯人グループを割り出し、事件発生から96時間を過ぎると被
害者の救出が不可能という状況の中で、単身パリに向かうブライアンだったが
……。
＜レビュー＞
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名優リーアム・ニーソンの暴走ぶりが潔いスリリングなアクション怪作
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スゴイです。イカレまくっています。まるで暴走超特急のような映画。しかも、
主演があの名優リーアム・ニーソンというのだからビックリ！
娘を誘拐された元CIAの父親が、パリを舞台に救出のために大暴れするというお
話。
面白いのが主人公のキャラクター。かつてはCIAとして危険な活動を展開し、家
庭を省みなかったツケで妻に離婚され（その後、妻は大金持ちと再婚）、もは
や娘しか心のよりどころがない男ブライアン。少しでも娘のそばにいたいがた
めに、CIAをやめて引越しをして、ほとんどストーカーのように娘の心配をして
います。
そんな娘が友達と外国旅行に行くことになり、渋々承諾するブライアン。しか
し、娘はパリで人身売買組織に誘拐されてしまいます。96時間以内に見つけな
いと、どこかに売り飛ばされてしまうという中で、ブライアンはすぐにパリに
飛んで、たった一人で娘の救出作戦を敢行します。
ドラマ的には底が浅くて共感できるところがないし、強引だったり、都合が良
すぎることの連続。でも、そういうところを一切無視して、ブライアンの暴れ
っぷりだけに注目すると、これがなかなか心地よいのです。
元CIAという経歴を生かして、様々な策略をめぐらすブライアン。娘が誘拐され
る瞬間も、彼女の携帯電話を通して、犯人像などをキャッチします。その後も
数々の秘策で犯人を追うところは、まさに元CIAの面目躍如。
そして、アクションシーンも満載。カーチェイス、銃撃戦、殴り合い、高所か
らのダイブ……。
なんといってもスゴイのが、ひたすら邪魔者を倒しまくるハンパのなさ。悪者
を皆殺しにするばかりではありません。無関係の人間まで、娘を救うためには
犠牲にするのをためらいません。エグイ拷問シーンまで登場。「いくら何でも
やりすぎじゃないの？」などという思いを蹴散らすほどの徹底した暴走ぶりで
す。
敵のアジトから人身売買オークションの現場、そしてセーヌ川に浮かんだ船の
上と、ますますスピードアップ。「細かいことなんか考えないでオレについて
来い！」といわんばかりの力ワザの連発。ドラマ的にはデタラメでも、父の愛
＆元CIAというネタ一発でここまで暴走されるところに、潔ささえ感じてしまい
ました。
最後はもちろん最大のピンチを乗り越えて大団円へ！
製作・脚本はリュック・ベッソン。彼が絡んだ映画は、ドラマ的にガッカリさ
せられることが多いので、今回のように中途半端な心理描写などナシに暴走し
てくれたほうが、かえってスッキリするというものです。
といっても、演じるのが中途半端な役者ならここまで面白くはならなかったは
ず。リーアム・ニーソンだからこそ、これだけユニークな映画になったのでし
ょう。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（ドラマ的にはデタラメだけど、徹底した暴走ぶりが見事な「怪作」。ハラハ
ラして、最後にスカッとしたい方はどうぞ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年8月23日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時の回
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