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アフタースクール
（2008年 日本）（上映時間1時間42分）
監督・脚本：内田けんじ
出演：大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、田畑智子、常盤貴子、北見敏之、山本
圭、伊武雅刀
＊シネクイントほかにて全国公開
ホームページ http://www.after-school.jp/
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＜ストーリー＞
母校の中学校に勤める教師・神野（大泉洋）のもとに、かつての同級生だと名
乗る探偵（佐々木蔵之介）が訪ねてくる。彼は、同じく神野の同級生で親友の
木村（堺雅人）を探しているという。ちょうどその朝、神野は木村に代わって、
産気づいた彼の妻（常盤貴子）を病院へ連れて行ったところだった。神野は成
り行きから木村の捜索に協力することになるのだが……。
＜レビュー＞
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まさかそんな……。ダマされる快感に酔う予測不能の映画
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中途半端にダマされると悔しいけれど、あまりにも鮮やかにダマされると、か
えって気持ちが良かったりするもの。そんなダマされる快感に酔えるのがこの
映画です。前作の長編デビュー作『運命じゃない人』で、見事な構成力を見せ
た内田けんじ監督が、前作をしのぐ巧みな構成力によって観客を鮮やかにダマ
します。
主要な登場人物は、母校の中学教師の神野、かつての同級生の木村と妊娠中の
妻、そして木村と不倫しているらしい謎の女……と説明してはみたものの、実
はそれがただの思い込みだったりします。あとで、彼らの正体を知って愕然と
しました。
出産直前の妻を残して木村が失踪し、借金まみれの探偵が捜索を依頼される。
木村の同窓生の神野に接近した探偵は、強引に彼を捜索の仲間に加える。どう
やら、木村は不倫をしていて、その相手はヤクザの情婦らしい……。
うーん、こうやってストーリーを説明しても、あんまり意味がない感じです。
というのも、中盤あたりで、それまでの「よくあるサスペンス」という構図が、
ガラガラと音をたてて崩れてしまうんです。
え！？ まさかそんな、という思いもよらぬ展開に突入。その後も二転三転し
て、いったい何がどうなっていくのか先が読めません。事前の評判でダマされ
ると警戒していたのに、すっかり術中にはまってしまいました。
たとえば、冒頭の中学時代の思い出のシーン。何気ない回想かと思いきや、こ
れが物語全体の背景にデンと据えられています。しかも、ラスト近くで明かさ
れるそのシーンに隠された秘密とは……。
その次に登場する家庭風景も意味深です。妊娠中の妻と夫、妻の父による幸せ
な家族のシーンと思ったら、そこには信じられない秘密が……。
何気なく観ていると普通のシーンなのに、あとになって真相を知ると「そうい
えば……」と気づかされるんです。ほんの小さなディテールまで、緻密に計算
され、巧みに伏線が張られています。だから、あんなに鮮やかなダマし方がで
きるんですねぇ〜。
ユーモアも全編に散りばめられています。クスクス笑っているうちに、ますま
す内田監督の術中にはまってダマされてしまいます。
大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、田畑智子、常盤貴子をはじめとする俳優たち
も適役。
ダマしにダマされて、ようやく落ち着いたところで、ちょっぴりしんみりする
ドラマも用意されています。そして、最後にまたひとネタ。途中で出てきた衝
撃のビデオ映像の真相は？？？ さらに、エンドタイトルの後にもまだ映画が
続くので、最後まで席を立たないでください。
この映画の面白さは、実際に観て体験してもらうしかありません。思いっきり
ダマされてください。そうすれば最後にはきっと快感が訪れるはず。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（見事な脚本と構成力に脱帽するのみ。観客を楽しませるエンターティメント
の本筋をキッチリ押さえた見事な映画。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年5月24日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の回
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