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相棒−劇場版II− 警視庁占拠！特命係の一番長い夜
（2010年 日本）（上映時間1時間59分）
監督：和泉聖治
出演：水谷豊、及川光博、小西真奈美、小澤征悦、宇津井健、國村隼、石倉三
郎、葛山信吾、平岳大、品川徹、江波杏子、川原和久、大谷亮介、山中崇史、
山西惇、六角精児、神保悟志、小野了、片桐竜次、原田龍二、益戸育江、岸部
一徳
＊丸の内TOEIほかにて全国公開
ホームページ http://www.aibou-movie.jp/
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＜ストーリー＞
警視庁本部内で、警視総監以下、幹部12名を人質に取る籠城事件が発生する。
犯人からの要求のないまま時間ばかりが過ぎる中、杉下右京（水谷豊）と神戸
尊（及川光博）は犯人が元警視庁刑事の八重樫（小澤征悦）であることを突き
止める。事件は機動隊と特殊捜査班の強行突入により犯人が射殺されて終わる
が、動機は不明のままだった。事態に疑問を抱いた右京と尊は、真相を探るべ
く独自の調査を開始するのだが……。
＜レビュー＞
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人気テレビシリーズの魅力をそのまま継承した第2弾
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2000年のテレビ初放送から10周年を迎えた刑事ドラマ「相棒」の劇場版第2弾。
監督は前作と同じベテランの和泉聖治。
水谷豊の相方がテレビ版と同様に、寺脇康文から及川光博に代わったものの、
テレビ版の魅力を抽出して、スケールを大きくしたところは前作と同じ。テレ
ビ版も、もともと映画的なつくりをしているだけに、映画になってもまったく
違和感がありません。
冒頭いきなり登場するのが船の中でのバトル＆爆破シーン。いったいこれは
何？？？
と思っていたら、警視庁で幹部を人質に取った籠城事件が発生。まもなく犯人
が射殺されて意外にあっさり事件は終わるものの、犯人の目的は何なのか、誰
が彼を射殺したのかは謎のまま。
伏線を巧みに張りながら、次々に生み出される謎。それに挑むのはご存知、杉
下右京と神戸尊のコンビ。周囲の冷たい視線にもめけず、冷静沈着な洞察力で
真相に迫っていきます。
基本はテレビ版と同じですが、右京にロープで壁を伝わせたり、尊に怒りをあ
らわにさせたりと、ちょっと意外な面も見せてくれます。
やがて籠城事件には、冒頭で描かれた7年前の事件が関係していることがわかり
ます。それに絡んだ3人の警察官の哀しい運命。
さらに、そこには公安の存在を誇示するための警視庁幹部による恐ろしい陰謀
も飛び出します。
それだけではありません。この事件を利用して「警察省」を実現しようとする
警察庁幹部とそれに抵抗する警視庁幹部の対立も描かれます。
こうやって社会性を織り込んだ骨太のストーリーを展開するのも、このシリー
ズの大きな魅力。「防衛省」が誕生した今、「警察省」というのもありそうな
話だし、警察庁ＶＳ警視庁の対立というのもリアルな話に思えます。
大規模なマラソン大会を舞台にした前作ほどの派手さはないものの、シリーズ
の原点に回帰したような濃密さが感じられます。
ラストもせっかく右京たちが暴いた悪が、巨大な権力によって握りつぶされる
というおなじみの結末……と思ったら、なんとその後に驚きの展開。テレビ版
でもおなじみのあの超大物の殉職！！！ その死を乗り越えて右京は前に進む
のでした。
水谷豊、及川光博に加え、充実の脇役陣の演技も見応えがあります。なかでも、
小西真奈美の充実の演技が光ります。
欠点といえば、骨太なストーリー展開ゆえ、話が込み入ってわかりにくい部分
があるところ。それにテレビ版を観ていない人には、登場人物の相関関係など
がややわかりにくくて、十分に魅力が伝わらないところがあるかもしれません。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（テレビシリーズの魅力をそのまま受け継いだ骨太の刑事ドラマ。テレビ版の
ファンにとっては大満足では？）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年12月23日（木）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後5時の回
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