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アバター（AVATAR）
（2009年 アメリカ）（上映時間2時間42分）
監督・脚本：ジェームズ・キャメロン
出演：サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、ステ
ィーブン・ラング、ミシェル・ロドリゲス、ジョバンニ・リビシ、ジョエル・
デビッド・ムーア、CCH・パウンダー、ウェス・スチュディ、ラズ・アロンソ
＊TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/avatar/
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＜ストーリー＞
戦争で負傷し下半身不随となった元海兵隊員のジェイク（サム・ワーシント
ン）は、急死した兄に代わって、地球から遠く離れた惑星パンドラへ行く。そ
こでは、希少な鉱物を採掘するための事業が進められていた。ジェイクに課せ
られた任務は、人間に有害なパンドラの環境で活動できるよう先住民ナヴィと
人間のＤＮＡを掛け合わせて造られた"アバター"に意識をリンクさせ、遠隔操
縦でナヴィとの交流を図ることだった。アバターを介してジェイクはナヴィに
接近し、美しい女性ネイティリと出会うのだが……。
＜レビュー＞
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素晴らしい映像に目を奪われる一級品のエンタメ映画
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『ターミネーター』『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督のなんと1
2年ぶりの映画です。
お話はＳＦ。パンドラという惑星で、ある会社が希少な鉱物資源の開発を目指
すものの、そこにはナヴィという先住民がいて思うような開発ができずにいま
す。しかも、その星の環境下では人間は自由に活動できないため、科学者たち
の手でナヴィと人間のＤＮＡを掛け合わせた"アバター"が造られています。
アバターは人間が意識をリンクさせて操作します。兄に代わってパンドラに送
り込まれた下半身不随の元海兵隊の主人公は、そのアバターを操作して、ナヴ
ィに接近するように命じられます。最初は命じられるままに、ナヴィの内部を
探る主人公ですが、やがてナヴィの美しい娘と知り合ったことから、次第に心
が変化していきます。
ドラマ自体はありがちなお話。宇宙人ＶＳ地球人、地球人内部の良識派ＶＳ強
硬派、宇宙人と地球人（といってもアバターですが）のロマンスなど、どこか
で聞いたような話ばかり。地球人が使うパワードスーツなどもよくある武器で
すね。ＳＦ映画、戦争映画、西部劇、恋愛劇など、様々な映画の要素のいいと
こ取りをしたような展開が目に付きます。
ただし、そんな中で印象的だったのが、環境破壊に対する強い批判。他の星の
自然をバッタバッタとなぎ倒す地球人を批判的に描いています。また、先住民
を一方的な同化させようとして、失敗するとすぐに武力で征服しようとするの
も現実の世界でよくある話。それに対する批判も込められています。このあた
りは、予想していなかったうれしい誤算でした。
とはいえ、それより何よりスゴイのが映像です。パンドラの見たこともないよ
うな不思議な動植物の間を、ナヴィたち（人間に似ているけれど、背が高くて
青い体で尻尾を持つ）が駈け巡るだけで、スクリーンに見入ってしまいました。
前半の主人公の訓練風景（翼竜のようなものを乗りこす場面など）をはじめ、
美しく、迫力タップリで、スリリングな映像の連続です。しかも、空想の産物
が活躍するのに、ちっともうそ臭くなくて、リアリティに満ちた映像になって
いるのがスゴイところ。
中盤以降の戦闘シーンも、空中戦を中心にすさまじい迫力で超一級品の映像で
す。特にラストの40分近い戦闘シーンは圧巻。
ナヴィの自然な動きや表情にも、感心させられました。最新テクノロジーを駆
使して、ＣＧをフルに使い、お金をタップリかければ、これだけの映像ができ
るんですねぇ。この映画はデジタル３Ｄとして作られましたが、私が観たのは
通常版。それでも十分に楽しめました。というか、３Ｄを観たら迫力がありす
ぎて疲れてしまうかも。
それほど深いドラマはありませんが、美しくて、ハラハラドキドキする映像は
見事なもの。２時間42分、すべてを忘れてスクリーンに集中できます。エンタ
メ映画としては超一流の作品。
役者では、科学者役のシガニー・ウィーバーが存在感あり。『パブリック・エ
ネミーズ』でシブい捜査官を演じたスティーブン・ラングの悪役ぶりも出色。
ナヴィの女王役で『バクダッド・カフェ』のCCH・パウンダーも出演。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（ドラマもまあまあ楽しめますが、それ以上にすごいのが映像。映像だけでも
観る価値は十分にあると思います。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年12月23日（水）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時45分の回
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