バンク・ジョブ(THE BANK JOB)


(2008年 イギリス)(上映時間1時間50分)
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、リチャード・リンター
ン、スティーブン・キャンベル・ムーア、ダニエル・メイズ、ピーター・ボウ
ルズ、キーリー・ホーズ、デビッド・スーシェ
*シネマライズほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.bankjob.jp/
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<ストーリー>
1971年、ロンドン。中古車店を経営するテリー(ジェイソン・ステイサム)は
借金取りに追い立てられていた。そんなある日、旧知の美女マルティーヌ(サ
フロン・バロウズ)から、銀行強盗の計画を持ちかけられる。ためらいながら
も家族のために話に乗ったテリーは、仲間を集め準備を進める。だが、その話
には裏があったのだ……。

<レビュー>
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ホントにこれって実話なの? スリリングで面白すぎる犯罪サスペンス
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オープニングでタイトルの下に表示される「BASED ON A TRUE STORY」、つまり
「実話に基づいています」の文字。これが最後まで強烈な意味を持つ映画です。
とにかくネタが面白すぎるんです。「これが本当に実話なの?」という驚きの
連続で、まさに「事実は小説より奇なり」を地でいくお話。

オープニングは、どこかのリゾート地での男女のエッチなシーン。でもって、
それを誰かがパシャリとカメラに収めます。この写真が、あとあと大きなポイ
ントになってくるんですねぇ〜。

続いて登場するのは借金苦の自動車ディーラー。そこに昔なじみの美女から持
ち込まれた銀行強盗話。疑問を持ちつつも話に乗って、仲間を集めて準備する
主人公。ところが、その裏には秘密諜報組織の存在があって……。

こう聞いただけでも、なかなか面白そうな話ですが、これだけではありません。
英王室のスキャンダル、それを握った左翼を気取る悪党、裏社会に君臨するポ
ルノ王と彼から金をせしめる汚職警官。そんなアブナイ人たちが暗躍して、話
は思わぬ方向へ転がっていくのでした。

あまりにも面白すぎるこの実話を見応えある犯罪サスペンスに仕上げたのは、
『13デイズ』『世界最速のインディアン』のロジャー・ドナルドソン監督。
そういえば、『13デイズ』はキューバ危機を描いた作品だし、『世界最速の
インディアン』も実話。実話の映画化は大得意なのかも!?

前半は、銀行強盗話の発端とその裏にある事実、中盤は主人公たちによる犯行
のようすが描かれます。銀行の金庫の下まで地下に穴を掘るというのは、犯罪
映画でよくあるパターンですが、それでもやっぱりスリリング。主人公たちの
無線連絡が思わぬ事態を招き、ハラハラドキドキの展開に突入です。

そして、犯行後に始まる、たくさんの人々による暗闘劇。その中で、主人公た
ちはどんどん追い詰められて、崖っぷちへ。このへんも相変らずスリリングだ
し、テンポが一段とアップしてエンジン全開。まったく先が予想できない二転
三転のドラマに、目が釘付けになってしまいました。

クライマックスは駅での取引シーン。はたして、主人公たちの運命は???

主人公を演じるのは『トランスポーター』『アドレナリン』のジェイソン・ス
テイサム。ストレートなアクション映画でなくても、なかなかイケてます。強
盗計画を持ち込む美女役のサフロン・バロウズはじめ脇役もみんなクセのある
連中で、個性的なこのドラマにふさわしいキャストです。

ラストに明かされる事件のその後。ここでまた実話であることを再認識。よく
もまあ、こなことが実際に起きたものです。なんでも、事件当時に完全な報道
規制が行われ、しかも王室スキャンダルが絡んでいたりするので、今までは謎
だらけの事件だったとのこと。それを綿密な調査によって映画化にこぎつけた
というからエライものです。

もとになった実話がユニークで、しかも脚本が良くて、演出も見事とくれば、
これは絶対に面白くなりますよね。

《ぽちの満足度》
★★★★☆

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(あまりにもスリリングで面白すぎる犯罪サスペンス。これが実話だというの
だから驚いたもの。)
                              (田中ひろあき(ぽち))
〔鑑賞データ〕
2008年12月14日(日)シネマライズにて。午後12時30分の回


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