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ブラッド・ダイヤモンド（BLOOD DIAMOND）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間23分）
監督・製作・脚本：エドワード・ズウィック
出演：レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フ
ンスー、マイケル・シーン、アーノルド・ヴォスルー
＊サロンパス ルーブル丸の内ほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/
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＜ストーリー＞
90年代のアフリカ・シエラレオネ。内戦が続く中、漁師ソロモン（ジャイモ
ン・フンスー）は、反政府軍に村を襲撃され、家族と離れ離れになる。ダイヤ
モンド採掘場で強制労働をさせられた彼は、大粒のピンクダイヤを発見、秘密
の場所に隠す。やがて彼の存在を知ったダイヤ密輸人ダニー（レオナルド・デ
ィカプリオ）は、家族捜しに協力する代わりにダイヤの隠し場所を明かすよう
迫る。そんなダニーに、女性ジャーナリストのマディー（ジェニファー・コネ
リー）は、ダイヤ密輸の実態に関する情報提供を求めるのだが……。
＜レビュー＞
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エンタメの枠内でダイヤをめぐるカラクリを告発した骨太サスペンス
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キラキラと輝く美しいダイヤモンド。人々を魅了するその輝きとは裏腹に、原
産地であるアフリカには恐ろしい現実があることを告発した映画。
予告編を観た段階では、もっとガチガチのエンタメ映画かと思ったのですが、
思った以上に社会派の要素が強いことに驚かされました。
内戦が続くシエラレオネで、反政府勢力に村を襲撃され、家族と引き離された
漁師のソロモンが、強制労働させられていたダイヤ採掘場で、ピンクダイヤを
発見して隠すのが物語の発端。
同じ頃、密輸に失敗して刑務所に収監されたダイヤ密輸人ダニーが、刑務所に
居合わせたソロモンとピンクダイヤの存在を知り、家族探しを条件にダイヤを
手に入れることを企てます。
一方、そんなダニーに対して、アメリカ人女性ジャーナリストのマディーは、
ダイヤ密輸の実態に関する情報提供を求めます。こうして３人は、ピンクダイ
ヤを目指すのです。
村を襲撃され家族を奪われたソロモンはもちろん、ローデシア生まれの元傭兵
で徹底した現実主義者のダニー、ジャーナリストの使命感に燃えるマディー。
主要な３人の人間ドラマがきちんと描かれます。
基本はあくまでもエンターティメントのサスペンス。戦闘場面でハラハラさせ
て、「あわや！」のところで主人公たちがピンチを切り抜け、ダイヤの隠し場
所を探っていきます。スリリングで迫力タップリの展開で、少しも飽きません。
同時に、エンタメの枠内で、アフリカの過酷な現実を告発していきます。禁輸
のはずの紛争ダイヤが売りさばかれ、内戦に使われる武器代金となっているこ
と。内戦における容赦のない殺戮。誘拐された子供たちが、洗脳されて恐ろし
い殺人マシーンに仕立てられていくところ……。
そうした事実を告発し、「こんなことでいいのか？」と社会正義を訴えます。
社会派映画の要素がタップリです。
ラストは予定調和的ではあるものの、ダイヤ追跡劇の後日談を描いて、つくり
手たちのメッセージをより明確にしています。
まあ、エンタメ映画らしく都合よすぎる展開がかなりあって、やや興ざめしち
ゃうところもあるのですけれど。
ハラハラさせられる場面が、ほとんど無差別殺戮に近い戦闘シーンなので、そ
のへんのあと味の悪さもありますね。もちろん、現実はもっとヒドイのでしょ
うが。
主人公を演じるレオ様のワルぶりは堂に入っています。昔は、ワルをやっても
無理があったのですが、今回はごく自然に感じられました。『ディパーテッ
ド』よりははるかにいいです。
ラストで「消費者がカギを握っている」というメッセージが流れますが、せい
ぜい結婚指輪に安いダイヤを買う消費者にどうしろと？？？ まあ、一生ダイ
ヤに縁のない筆者には、どっちみち関係のない話ですが（笑）。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（エンタメの枠内とはいえ、アフリカの現実を告発した姿勢には好感が持てま
す。多少は問題意識を持って観たほうがいいと思います。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年4月8日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時30分の回
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