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墨攻（A BATTLE OF WITS）
（2006年 中国・日本・香港・韓国）（上映時間２時間13分）
監督：ジェィコブ・チャン
出演：アンディ・ラウ、アン・ソンギ、ワン・チーウェン、ファン・ビンビン、
ウー・チーロン、チェ・シウォン
＊丸の内ピカデリー１ほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.bokkou.jp/
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＜ストーリー＞
紀元前の戦国時代、趙が送り込んだ猛将・巷淹中（アン・ソンギ）率いる大軍
を前に、梁城は落城寸前だった。梁王は攻撃をせずに守り抜く"非攻"を信念と
する集団"墨家"に援軍を求めるが、やって来たのは革離（アンディ・ラウ）た
だ１人。趙軍の猛攻が始まると、彼は秘策を繰り出し見事に対抗するのだが…
…。
＜レビュー＞
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アンディ・ラウが大活躍のアジア合作の骨太な歴史アクション
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森秀樹の同名コミックが原作。中国・日本・香港・韓国の合作で俳優には日本
人はいませんが、たくさんの日本人スタッフが活躍しています。
舞台は紀元前の戦国時代の中国。大国・趙の大軍を前に、落城寸前の梁。王は
攻撃をせずに守り抜く"非攻"を信念とする集団"墨家"に援軍を求めるが、やっ
て来たのは革離という男１人だけ。彼は秘策を繰り出し敵に対抗する……。
歴史アクションですが、ユニークなのは主人公のヒーローが、攻撃をせずに守
り抜く"非攻"と、万人を愛する"兼愛"をモットーとする集団の一員だというこ
と。したがって、戦いは籠城のみ。しかも、平和を希求する彼は、人殺しにだ
んだん疑問を抱いていくのです。
こんなふうに、普通の戦争モノとはかなり違う設定なのに、前半ははっきり言
って、ただの戦争活劇です。最初に主人公が、降伏しようとする梁の人たちに
戦うように説得するから、好戦的な人物に見えてしまったりします。敵との戦
いにおいても嬉々として戦っているようだし……。
ただし、後半になると主人公の悩みが深くなり、平和を愛するがゆえに戦わな
ければならないという矛盾、それによって民を苦しませる苦悩などが色濃く出
て、ドラマに深みが出てきます。そんなに深〜いドラマというわけではないけ
れど、それなりに見応えあるドラマになっています。
しかし、主人公とファン・ビンビン演じるヒロインとの愛は、なんだか中途半
端。胸に迫るような切なさはなく、ただの付け足しにしか思えません。
それに、主人公に背負わせている非攻"と"兼愛"というユニークなモットーを十
分に活かしきれているかといえば疑問。やりようによっては、もっと深みのあ
る、陰影に満ちた人間ドラマが展開できた気がするのですが……。
その代わり、アクションという視点から観ると、なかなかよくできた映画です。
やたらにＣＧに頼らず、ゴツゴツした感じのバトルを展開しているのが魅力。
それでいてスケールは大きく、弓矢が大挙して飛来するところや、クライマッ
クスで使われる意外な武器などは迫力満点。敵味方の戦術のアレコレも十分に
楽しめます。
前半は、革離率いる梁軍と趙軍とのバトル。後半は、そこに「革離の人気を恐
れる梁王」という仲間割れの図式も加わって盛り上がりは最高潮に。ほとんど
が籠城場面なのに、これだけ魅せてくれるのですから、本当に良くできたアク
ションだと思います。
主人公役のアンディ・ラウがムチャクチャにカッコいい！ いまさらいうまで
もありませんが、抑え目の演技がシブくて見応えタップリです。敵の大将役の
韓国のアン・ソンギの重厚な演技も印象的。
今後は、こういうアジア合作映画も増えそうなので、そういう点でも注目の映
画かもしれません。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（歴史アクションがそれほど好きでない人でも、それなりに楽しめそうです。
歴史ものが好きな方、アンディ・ラウのファンにはもちろんオススメ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年2月11日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の回
[「ほ」のページ] |
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