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僕らのミライへ逆回転（BE KIND REWIND）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間41分）
監督・脚本：ミシェル・ゴンドリー
出演：ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローバー、ミア・ファ
ロー、メロニー・ディアス、アージェイ・スミス、マーカス・カール・フラン
クリン、キッド・クレオール、シガーニー・ウィーバー
＊シネマライズ、シャンテシネ、新宿バルト9ほかにて公開
ホームページ http://www.gyakukaiten.jp/
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＜ストーリー＞
小さなレンタルビデオ店の店員マイク（モス・デフ）は、ある日、店長に店番
を任される。だが、発電所に忍び込んで強力な磁気を帯びてしまった幼なじみ
のジェリー（ジャック・ブラック）のせいで、商品のビデオが全て消えてしま
う。困ったマイクはジェリーと一緒に名作映画を次々とリメイクしていくのだ
が……。
＜レビュー＞
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映画への愛が詰まったハンドメイドの爆笑コメディ
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『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』などユニークなファンタ
ジーがお得意のミシェル・ゴンドリー監督の新作。今回もファンタジーの要素
がタップリのコメディ映画ですが、過去の作品ほどぶっ飛びすぎているところ
がないので、誰にでも楽しめそうです。
物語の舞台は街角の時代遅れの小さなレンタルビデオ店。役所から取り壊しを
迫られる中、店長が不在のため店員のマイクが店を任されます。しかし、彼の
幼なじみのジェリーが困ったヤツ。発電所に忍び込んで体に磁気を帯びてしま
い、そのまま店にやってきたからさあ大変。店にあるビデオテープが全部消去
されてしまいます。
困ったマイクとジェリーは、その場しのぎに２人で手作りのリメイク映画を製
作。それをスウェーデン製と偽って、店に並べたらこれが大人気になって……。
全編爆笑モノのコメディ映画です。特にジェリーとマイクがヒット映画のリメ
イクを製作していくところは笑いっぱなし。『ゴーストバスターズ』を皮切り
に、『ロボコップ』『ラッシュアワー２』『2001年宇宙の旅』『キャリー』
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』『ドライビング Miss デイジー』、はては、
なんとアニメの『ライオン・キング』まで40本近く登場！
そこらへんにある廃材を使ったり、どれもバカバカしくて、怪しいリメイクな
のですが、オリジナルと微妙に似ているところもあって、いやぁ〜楽しい、楽
しい。オリジナルを知っている人は、よけいに楽しめる映画ですね。
それらを通して感じるのはゴンドリー監督の映画への熱烈な愛。そして、同時
に、やたらにお金をかけてＣＧ全開で製作されるハリウッド映画に対する皮肉
も効いています。
しかも、この映画、ただの爆笑コメディでは終わりません。ラストの着地点は
なんと人情劇。取り壊しの危機に瀕したビデオ店をめぐって、地域の人々があ
る行動を起こします。
そこで使われるのが、最初から何度も出てきた伝説のジャズ・ピアニスト、フ
ァッツ・ウォーラーのお話。最初のうち、なんでこの人のことがたくさん登場
するのか疑問だったのですが、なるほどそういう仕掛けだったんですねえ。
ラストのビデオ店前のシーンは、なかなか感動的で、観終わって心がポカポカ
してきました。
考えようによってはお気楽なストーリー展開。人物造形もそれほど深いとはい
えません。それでも、十分に満足。映画への愛がタップリ詰まっていて、爆笑
できて、最後には心が温かくなれる。とってもステキな映画です。たまにはこ
ういう映画もいいのでは？
ジェリー役のジャック・ブラックは、さすがにこの手の役が似合います。オバ
カで何もかも破壊しまくるお騒がせキャラ。しかも、今回はいつものオゲレツ
さは控えめなので、彼のことが好きでない人も抵抗感なく観られそう。
その相方のマイク役は人気ラッパーのモス・デフ。ビデオ店主役のダニー・グ
ローバー、近所のおばさん役のミア・ファロー（ウディ・アレンの元奥さん。
スクリーンで観たのは久しぶり！）なども、いい味出しています。
そして、著作権の取り締まりに訪れる役でシガーニー・ウィーバーもチラッと
ご出演。そういえば彼女、本家『ゴストバスターズ』に出演してましたっけ。
うーん、憎い配役。
《ぽちの満足度》
★★★★☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（爆笑必至。特に映画好きは絶対に楽しめます。そして、最後には心がポカポ
カ。もしかしたら今年のコメディの中で一番面白いかも。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2008年10月11日（土）シャンテシネにて。午後2時30分の回
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