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ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
（BORAT: CULTURAL LEARNINGS OF AMERICA FOR
MAKE BENEFITGLORIOUS NATIONOF KAZAKHSTAN）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間24分）
監督：ラリー・チャールズ
出演：サシャ・バロン・コーエン、ケン・デビティアン、ルネル
＊シネ・アミューズほかにて公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/borat/
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＜ストーリー＞
カザフスタン国営テレビの看板レポーターのボラット（サシャ・バロン・コー
エン）は、カザフスタンの発展のためにアメリカの文化を学び、カザフスタン
国民へ向けてレポートすることになる。アメリカ市民に突撃取材を敢行し、各
地で大騒動を巻き起こすのだが、途中でＴＶドラマ『ベイウォッチ』のパメ
ラ・アンダーソンに恋してしまい……。
＜レビュー＞
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タブー無視。傍若無人のオバカでオゲレツなドキュメンタリー！？
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カザフスタン国営テレビの人気レポーター・ボラット氏が、アメリカ文化を学
ぶために政府から派遣され、アメリカの人々に突撃取材を敢行したドキュメン
タリー……。
というのは、実は真っ赤なウソです。
ボラットは、イギリスの人気コメディアン、サシャ・バロン・コーエンのＴＶ
ショーの人気キャラクター。彼がアメリカを取材するという架空のドキュメン
タリーのスタイルをとった爆笑コメディーなのです。
爆笑度はかなり高いです。最初から最後まで笑いっぱなし。
何しろ主人公のボラットがとんでもない人物。まるで未開の土地から来たよう
に、無知で、品性ゼロ。ユダヤ人を恐れ、女性を蔑視し、同性愛者も大嫌い。
そんな彼がニューヨークにやってきて、カルチャーギャップ全開の笑いを振り
まきます。たとえば、ホテルのエレベーターに乗って「良い部屋だ」と荷物を
とこうとしたり……。
そして、テレビの深夜番組で見かけたパメラ・アンダーソンに恋してしまった
ボラットは、彼女のいるカリフォルニアに向けてアメリカ大陸を横断します。
その行く先々で、とんでもないことをやらかすわけです。ユダヤ人の家に泊ま
って「殺される！」と恐れたり、護身用に熊を購入したりと、ワケのわからん
オバカぶり。
およそ知的な笑いとは正反対のオバカでオゲレツな笑いの連続。しかも過激な
ネタばかり。ユダヤ人だの、身障者だのを平気でネタにして、下ネタもバリバ
リの全開。タブー無視の笑いが炸裂します。
何よりすごいのが、ボラットと出会う人々が、役者ではなく一般人と思しきア
メリカ人であること。しかも、彼らの態度から考えて、どうやら本当に「カザ
フスタンのレポーター」と信じて込んでいるようです。だから、ボラットの暴
言や暴挙に困惑し、怒る姿がリアルに映し出されて、余計に笑えてしまうので
す。
そして、それらを通して見えてくるのが、アメリカの実像です。南部を旅する
ということで、保守派の人々がテンコ盛で登場するのですが、コイツらがある
意味ボラット以上にアブナイ連中です。「イスラム教徒は顔でわかる」などと
言い放つオッサン、ダーウィンの進化論を否定してイエスを讃える宗教団体な
どなど。こんなヤツらがブッシュを支持しているのだから、アメリカは相当に
ヤバイかも。
過激な笑いは数々あれど、ここまでやっていいのでしょうか？日本では、こう
いう映画は絶対につくれないでしょう。あまりに過激なので、観ていて困惑す
る人や不快になる人もたくさんいそうです。
とはいえ、個人的には、かなり楽しめました。不快になる直前の微妙なところ
で寸止めしている感じで、それがまたある種の快感だったりして……。
何でもこの映画、あちこちでたくさん訴訟を起こされているそうです。その一
方で、全米で予想を超える大ヒットを記録し、ゴールデン・グローブ賞で主演
男優賞を受賞するなど、専門家筋の評価が高かったりするからおもしろいもの。
まあ、興味のある方は自分の目で確かめてください。あまりに過激すぎて気持
ち悪くなっても責任は負いかねますので（笑）。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（知的な笑いとは正反対のオバカ＆オゲレツな映画。個人的には楽しめたもの
の、どなたにもオススメとはいきません。過激な笑いのお好きな方はどう
ぞ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年5月26日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時30分の回
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