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ボーン・アルティメイタム（THE BOURNE ULTIMATUM）
（2007年 アメリカ）（上映時間1時間55分）
監督：ポール・グリーングラス
出演：マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、
スコット・グレン、パディ・コンシダイン、エドガー・ラミレス、ジョーイ・
アンサー、コリン・スティントン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン
＊ 日劇1ほかにて全国公開
ホームページ http://bourne-ultimatum.jp/
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＜ストーリー＞
自らの失われた過去を取り戻そうとする元ＣＩＡ諜報員のジェイソン・ボーン
（マット・デイモン）。ある日、イギリスの新聞ガーディアンに彼の記事が載
ったことから、その担当記者に接触するためロンドンへと向かう。だが、そこ
にはＣＩＡ対テロ極秘調査局長ヴォーゼンが派遣した現地要員が待ち受けてい
て……。
＜レビュー＞
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息をもつかせぬアクションで描くジェイソン・ボーン最終章
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元ＣＩＡ諜報員が自らの過去を取り戻すために奔走する人気シリーズ。『ボー
ン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』に続く完結編の登場です。
マット・デイモン扮する主人公が、「自分は何者か？」を探るために世界を駆
け巡る。それに対して、彼を危険人物と見なすＣＩＡが命を狙おうとする……。
という構図は前２作と同じ。今回も、ロシアをスタートに、パリ、ロンドン、
スペイン、モロッコなどヨーロッパ各地を移動して、最後の決戦の場であるニ
ューヨークへと向かいます。
基本的にはボーンとＣＩＡとの命を張った対決なわけですが、今回はそこにイ
ギリスの新聞記者やＣＩＡの女性職員がボーン側について行動します。ＣＩＡ
側も一枚岩ではなく、大きな秘密を守るためにボーン抹殺に執念を燃やすＣＩ
Ａ対テロ極秘調査局長ヴォーゼンと、それに反発する女性幹部職員パメラとの
対立が描かれます。
いくら一級品のアクション映画でも、たいていは緩むところがどこかにあるも
のです。しかし、この映画にはそれがまったくありません。緊張の意図が張り
詰めっぱなしです。携帯電話を巧みに使ったロンドンの雑踏でのスリリングな
追いかけっこ、モロッコでの民家の屋根を使った追跡劇など、どれも見事なア
クションシーンの連続。カーアクションや生身の格闘も迫力満点に描かれます。
アクションのないところでも、緊迫感が消えることはありません。最初から最
後まで、スリリングさが持続します。
監督は前作に引き続いて『ユナイテッド９３』のポール・グリーングラス。手
持ちカメラを多用したドキュメンタリータッチの映像が冴え渡ります。
凄まじいとしかいいようのないアクション。スピード感もタップリで２時間弱
があっという間に過ぎていってしまいました。
主演のマット・デイモンに加え、デヴィッド・ストラザーン、アルバート・フ
ィニー、ジョーン・アレンといった、知名度はイマイチでも実力は折り紙付き
の役者を配しているのも見応えがあります。
ただし、ドラマらしいドラマはありません。前２作に関しては「俺はいったい
誰なんだぁ〜！？」というボーンの苦悩がそれなりに描かれたのですが、今回
はまったくそれがナシ。そのへんは過去２作に任せて、あえてはずしたのでし
ょうか？
それでも、ラストで国家の名のもとに行われた恐怖の計画（といっても予想の
範囲内でしたが）を暴くあたりは、ハリウッドのリベラル派の一人であるマッ
ト・デイモン主演＆ドキュメンタリー出身のグリーングラス監督の映画らしい
ところかもしれません。
いずれにしても、エンターティメントとしては一級品。半端なドラマなど不要
と思わせるほどの破格のアクション映画です。今後に続く作品にも影響を与え
そう……。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（ドラマらしいドラマはないものの、これだけすごいアクションを見せられた
ら文句ナシ。できれば前２作を観てからどうぞ。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2007年11月17日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時20分の回。
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