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ドキュメンタリー頭脳警察
（2009年 日本）（上映時間5時間14分）
監督：瀬々敬久
出演：PANTA、TOSHI、中谷宏道、菊池琢己、中山努、小柳昌法、遠藤ミチロウ、
三上寛、重信メイ
＊シアターN渋谷にて公開
ホームページ http://www.brain-police-movie.com/
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＜映画の内容＞
1969年に、PANTAとTOSHIの2人を中心に結成され、過激な音楽スタイルから反体
制の旗手としての期待を背負わされるものの、それが重荷になって1975年に解
散した伝説のロックバンド"頭脳警察"を描いたドキュメンタリー。
＜レビュー＞
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伝説のバンドの５時間を越えるドキュメンタリー。ファンは必見！
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1970年代に活躍した伝説のロックバンド「頭脳警察」のドキュメンタリー。監
督は『感染列島』の瀬々敬久。なんと全３部作。すべて観ると５時間を越える
超大作です（一応それぞれ独立した形になっていて、別々に鑑賞可能ですが）。
この映画で描かれるのは、頭脳警察の中心人物PANTAが自分のバンド"陽炎"を結
成した2006年から頭脳警察を再始動させる2008年までの３年間です。頭脳警察
再始動の経緯を中心に、PANTAと相棒のTOSHIのそれぞれの音楽活動、PANTAの母
の死と彼女に関わりの深い氷川丸（あの横浜にある船）のお話、あるいは元日
本赤軍で現在は拘置所にいる重信房子とPANTAとの交流など、たくさんのエピ
ソードが盛り込まれています。
最初に言っておくと、筆者は頭脳警察のファン。それゆえかなり楽しめる映画
だったのですが、その立場を離れてみると正直言って長すぎます！！！
筆者は個人的に企画の須田諭一氏と面識があり、「このぐらいの長さがないと
彼らのことは語れない」「これでも精一杯カットして切れるところはない」と
いう主旨の言葉も聞いてはいますが、頑張れば、少なくとも全２部作、４時間
程度の映画にカットすることは十分に可能だったと思います。
まあ、ビジネス的に言えば、ファンは絶対に３部とも観るわけで、その分興行
収入が伸びるのだからメデタシなんでしょうけどね。
なるほどファンにとっては、確かに見応え十分のウレシイ映画です。自分が目
の前で体験したステージの様子はもちろん、普通では絶対に見られないバック
ステージの様子やレコーディング風景、メンバーたちがそれぞれの思いを語る
シーンなど、お宝映像が満載。ファン必見の映画です。
彼らと同じ時代を過ごしてきた人たちにとっても、いろいろと感慨深いものが
あるのではないでしょうか。また、頭脳警察という伝説のバンドについて知り
たいと思っている人、特に若い人にとっても興味深い映画だと思います。
しかし、それ以外の人にはどうなんでしょうね。長さはともかくとしても、も
う少しテーマが明確になっていれば、もっと多くの人が楽しめたと思うのです
が。
なんでも、監督の意図の１つは戦後の歴史と頭脳警察をリンクさせることだっ
たそうですが、それがきっちり描けているかといえば疑問。全体が長い分だけ、
テーマ性がボケてしまった気がします。
３部の中では、ラストの３部目が一番いいと思います。なんと言っても、京大
西部講堂でのライブが圧巻。これを時間をかけて見せたのは正解です。少なく
とも３部目に関しては、頭脳警察に興味のない人でも、音楽好き、特にロック
好きなら観ても損はないと思います。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（個人的にバンドのファンなので大満足でしたが、どなたにもオススメという
わけには……。ロック好きならそれなりに楽しめそうですが。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年8月23日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時の回
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