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ブロークバック・マウンテン
（BROKEBACK MOUNTAIN）
（2005年 アメリカ）（上映時間２時間14分）
監督：アン・リー
出演：ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、
アン・ハサウェイ、ランディ・クエイド、リンダ・カーデリーニ
＊シネマライズほかにて公開中
ホームページ http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/
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＜ストーリー＞
1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの牧場に季節労働者とし
て雇われた２人の青年、イニス（ヒース・レジャー）とジャック（ジェイク・
ギレンホール）は山でキャンプをしながら羊の放牧を任される。対照的な性格
の２人は、大自然の中で一緒に過ごすうちに深い友情を築いていく。そしてい
つしか２人の感情は、友情を超えたものへと変わっていくのだった……。
＜レビュー＞
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道ならぬ恋に突入した２人の男の苦くて切ないラブストーリー
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１９６０年代を起点にした２人のカウボーイの同性愛の物語。同性愛というと
センセーショナルですが、道ならぬ恋に落ちた２人の物語として観ると、なか
なか深い映画です。
貧しい２人のカウボーイが、たまたま一緒に山で羊の番をすることになり、共
同生活をするうちにそういう関係になるという展開。
でも、意外だったのは、２人が友情を育むうちに少しずつそういう関係になる
のかと思ったら、けっこういきなりなんですヨ。
でもって、そのあとが大変。やがて２人はもう会うこともないと思って、それ
ぞれの生活を始めて、結婚して子供ができたりするのですが、ある時再会して
またまた関係が復活してしまいます。
当時は、同性愛なんてタブー。ましてお互いに家族がいるので、２人の関係は
シークレット。そこに悩み、苦しみ、葛藤が生まれていくわけです。
そんな２人を中心とした登場人物の心情をきっちり描くのは、アン・リー監督。
アメコミ映画『ハルク』なんてのも撮ったりもしましたが、もともとはこうい
う人間ドラマが得意な監督。今回はその本領発揮です。
短いセリフやセリフ以外の部分で、登場人物の微妙な心理を描いていきます。
再会した２人のカウボーイの喜び、２人の関係を知った妻の衝撃、２人の心の
すれ違いなど、抑制的にそして的確に心理描写をしていきます。だから、それ
ぞれの行動にも納得がいくのです。
ヒース・レジャー演じるカウボーイと妻の離婚のシーンとか、ほんの１分ぐら
いで描写しちゃうあたりも、さすがという感じ。
ただし、主人公の２人が何であそこまで惹かれあうのか、ボクにはイマイチよ
くわかりませんでした。他にそういう相手がいなかったから、てなわけでもあ
るまいし。最初のほうのブロークバック・マウテンテンで、もう少し劇的なこ
とを起こして、２人の関係が離れがたいものだと強く印象付けたなら、そのへ
んが納得できたかも。
でも、そういう劇的なことがないのが、この映画の特長だから、そのあたりは
難しいところですね。
ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールはなかなかの演技。ジェイクがい
かにもそっち系に見えるのにはちょっと苦笑。彼らの妻役をはじめ脇役もいい
です。
今年（２００６年）のアカデミー賞戦線をにぎわせた映画。オスカーでは『ク
ラッシュ』と争い、前評判が高かったにもかかわらず、作品賞では破れたこの
作品。個人的な好みでは余韻の深さという点で、『クラッシュ』に軍配を上げ
るものの、こちらもかなり良い映画。深い余韻のある人間ドラマです。道なら
ぬ恋に突入した２人の苦くて切ないラブストーリーとして見応えアリ。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋１／２★）
（切ない余韻の残る男同士の愛の物語。同性愛ということをあまり意識せずに
観たほうがよいかも……。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年３月18日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後３時45分の回
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