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ブルーノ（BRUNO）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間20分）
監督：ラリー・チャールズ
出演：サシャ・バロン・コーエン、グスタフ・ハマーステン
＊新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://bruno-movie.jp/
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＜ストーリー＞
オーストリア人でゲイのファッションレポーターのブルーノ（サシャ・バロ
ン・コーエン）は、人気番組の司会者だったが、取材中にトラブルを起こして
降板させられる。心機一転、アメリカにわたってセレブになろうと様々なこと
に挑むのだが……。
＜レビュー＞
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ゲイのファッションレポーターの超過激ドキュメンタリー（？）
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『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのための文化学習』で、カザフスタン
国営テレビのリポーターに扮してアメリカを突撃取材。各地で騒動を巻き起こ
したコメディアンのサシャ・バロン・コーエン。今回は、ゲイのオーストリア
人のファッションレポーター、ブルーノに扮して世界各地に突撃です。
ヨーロッパのファッションショーで大失敗をやらかし、追放されたブルーノ。
アメリカにわたってハリウッドセレブを夢見て俳優業に進出して失敗。そこで、
テレビ番組を制作して売り込もうとするものの、あまりにお下品で相手にされ
ず（ハリソン・フォードへのインタビューは「失せろ！」のひと言で終わり）。
それなら「セレブはチャリティー活動だ！」と、中東に渡って中東和平の仲介
をするもののこれも失敗。続いて「セレブは養子を取らねば」とアフリカでiPo
dと交換で黒人の子を養子にしたら大騒動に。そして、ついに人気者になるため
にゲイをやめようと決意するものの……。
前作同様、お下劣でオバカでどうしようもない笑いが満載です。この人にかか
ったら、タブーなどナシ。差別発言をはじめ「こんなことしていいのか？」の
連続です。
同性愛、セレブの養子問題、チャリティ活動、中東紛争など、ありとあらゆる
ことがネタ。といっても別に賛同や批判をしているわけではなく、ひたすら面
白いことを追求しています。日本では絶対にできない笑いの世界。
そのあまりの過激さに怒ったり、目をそむける人もきっといるはず。何を隠そ
う筆者も、時々「いくらなんでもそれはやりすぎだろう〜」と思ったりもしま
した。しかし、それこそがコーエンのねらい。まんまと術中にハマってしまっ
たわけです。
前作同様に、今回もヤラセなしがモットー。「映画に登場する人たちは全員、
ブルーノが実在の人物だと信じているので、そのリアクションはすべてガチ」
といううたい文句。
たしかに、大統領選挙の候補者や中東のテロリストなど、多くの人が本当にブ
ルーノだと信じてインタビューに応じて、怒りまくっています。
でもねぇ、「すべて」は言いすぎでしょう。基本はコーエンが役を演じている
わけで、しかもちゃんとカット割してカメラが回っていますからね。中にはブ
ルーノ＝コーエンと知って、わざとシャレでつきあっている人もいるのでは？
でもまあ、それはあまり気にしなくてもいいと思います。ガチだろうが、ヤラ
セだろうが、そんなことには関係なく、すでに一つのゲイ、じゃなくて芸とし
て立派に確立していますから。
エンディングもビックリ。スティング、エルトン・ジョン、U2のボノ、コール
ドプレイのクリス・マーティン、スヌープ・ドッグらが、この映画のために制
作されたオリジナル曲を合掌、じゃなくて合唱。ギターを弾くのは元ガンズの
スラッシュだ！
やれやれ、これだけのことができるのはサシャ・バロン・コーエンだけ。まさ
に彼にしかできない笑いの世界です。お下劣で過激な笑いに耐えられるかどう
か。あなたも試してみます？
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（個人的にはかなり笑えたコメディー映画。あまりにも過激でお下劣な笑いに
なので、誰にでもオススメはできませんが……。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年3月22日（月）新宿バルト９にて。午後1時10分の回
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