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バーン・アフター・リーディング（BURN AFTER READING）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間33分）
製作・脚本・監督・編集：ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演：ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジョン・マルコビッチ、フ
ランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、リチャード・ジェンキ
ンス、エリザベス・マーベル、J・K・シモンズ
＊お台場 シネマメディアージュほかにて全国公開
ホームページ http://burn.gyao.jp/
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＜ストーリー＞
ＣＩＡアナリストのオズボーン（ジョン・マルコビッチ）は飲酒問題で職を辞
し、自伝の執筆を開始する。同じ頃、スポーツジムで働く全身整形志願の女性
リンダ（フランシス・マクドーマンド）と同僚のチャド（ブラッド・ピット）
は職場で１枚のＣＤ−ＲＯＭを入手する。２人はそれをネタに情報の持ち主の
オズボーンを恐喝しようとするのだが……。
＜レビュー＞
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コーエン兄弟が大暴走？ アホアホな人たちを笑い飛ばす痛快コメディ
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いやぁ〜、コーエン兄弟らしい映画ですね。全編ユーモラスなドタバタ劇です。
オバカ映画ではないので爆笑とはいきませんが、細かなところでクスクスと笑
える楽しい映画です。
とにかくキャラクターが秀逸。アル中でＣＩＡを辞めるハメになった男。その
妻の医師。彼女と不倫するエロな財務省連邦保安官。彼と関係を持ってしまう
全身整形願望の女。彼女の同僚のｉＰｏｄ中毒男。そんなメンメンが、スッタ
モンダをくり広げるのだから楽しくないわけがありません。
しかも、演じるのがジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジョン・マル
コビッチ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンといった豪
華キャストですからね。
バカ丸出しのプラピ、エロオヤジ全開のジョージ・クルーニー、それを翻弄す
るティルダ・スウィントン、「何が何でも全身整形！」のフランシス・マク
ドーマンド、そしてブチ切れしまくるジョン・マルコビッチ。彼らの演技を見
ているだけでも、かなりの満足度。
ドラマの基本は犯罪劇です。ＣＩＡをやめた男のところから流出した情報をネ
タに、整形願望女とその同僚が金をゆすろうと画策します。その過程では殺人
事件まで起きてしまいます。
とはいえ、事件の真相をスリリングに追及するような映画ではありません。事
件を巡って右往左往する人たちの姿を笑い飛ばす映画です。
後半の展開はほとんど暴走に近い感じ。アナーキーに突っ走ります。しかも、
ラストは事の顛末をきちんとドラマで描かずに、セリフで説明してチャンチャ
ン。おい！ それで終わりかよ。衝撃の結末ってそういうことだったのか……。
唖然、呆然。
しかし、こんな結末もコーエン兄弟らしいといえるかも。
この映画、「何が言いたいのかわからない！」な〜んて言っている方もいるよ
うですが、そんなの決まってるじゃないですか。ＣＩＡやその情報に振り回さ
れている人たちを、おちょくっているんですよ。「あいつらアホやなぁ〜」て
なもんです。
昔からコーエン兄弟を知っている人ならともかく、アカデミー賞受賞作の
『ノーカントリー』ぐらいしか観ていない人にとっては、「なにだこれ？」と
いう感じかもしれませんね。深みはないし、本当にアホアホな映画ですから。
でも、これもまたコーエン兄弟の世界なのです。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（『ノーカントリー』のような映画をイメージしないように。ヘンな期待をせ
ずに豪華キャストによるコーエン兄弟の世界を楽しむべし。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年4月26日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時の回
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