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武士道シックスティーン
（2010年 日本）（上映時間1時間49分）
監督：古厩智之
出演：成海璃子、北乃きい、石黒英雄、荒井萌、山下リオ、高木古都、賀来賢
人、波瑠、古村比呂、堀部圭亮、小木茂光、板尾創路
＊テアトル新宿ほかにて全国公開
ホームページ http://bushido16-movie.com/
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＜ストーリー＞
厳格な父の教えで幼い頃から剣道に励んできた磯山香織（成海璃子）は、ある
大会で同学年の無名選手にリズムを狂わされ、負けてしまう。半年後、自分を
負かした相手を追って香織は東松学園女子高等部に入学する。だが、再会した
因縁の敵、西荻早苗（北乃きい）は、勝ち負けにこだわらず楽しく剣道をする
少女だった。そんな相手に負けたのが悔しい香織は、早苗の本当の力を引き出
そうと必死になるのだが……。
＜レビュー＞
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２人の少女のさわやかな友情物語。成海璃子、北乃きいが好演
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２人の少女の剣道を通した、さわやかで、清々しい友情物語。原作は誉田哲也
の同名小説。
剣道のエリートで無敵のはずの香織が、中学の試合でたまたま早苗に敗北。彼
女を追って同じ高校に進学した香織。ところが早苗があまりに弱いのが許せず
に、必死に彼女を強くしようとします。しかし、なかなかそれに乗ってこない
早苗。それでも早苗は香織に憧れのような気持ちを抱きながら、剣道を続けま
す。
やがてインターハイの予選の準決勝で、先鋒となった香織が試合前に手をケガ
して、試合には勝ったものの倒れてしまいます。そこで決勝は早苗が代わりに
出場して見事に勝利。しかし、それが２人にとって転機になるのでした……。
なんといっても良いのが、２人の少女のキャラクターです。香織は厳格な父の
もと、幼い頃から剣道漬けの生活。勝つことしか考えないまさにサムライのよ
うな少女。言葉遣いもサムライのようです。
一方、早苗はごく普通の女の子。剣道は好きで続けているだけで、勝負にはま
ったくこだわりなし。
そんな２人のぶつかり合いが楽しい映画。本人の意思に関係なく、無理やり早
苗を強くしようとする香織に対して、早苗も香織を無理やりケーキ屋やゲーム
センターに誘ったりして、普通の女の子らしいことをさせようとします。ほほ
えましくて、ユーモラスな交流劇です。
成海璃子と北乃きいが、それぞれの持ち味を生かしたとても良い演技を見せて
います。どちらも役にピタっとはまっています。
ちょっと変わった友情を育む中で、２人の少女は成長していきます。早苗と交
流する中で、剣道漬けだった自分の人生に疑問を持ち始める香織。それに対し
て、ただ楽しくやるだけでなく、「勝ちたい！」という思いを持つようになる
香織。それぞれの変化が、ごく自然に、無理なく描き出されます。
厳格な父、剣道をやめてしまった兄など香織と家族との関係も、彼女の成長物
語とうまく絡ませています。一方、早苗についても、後半で彼女の父親（相変
わらず板尾創路がいい味）に重要な役回りを与えています。
クライマックスに至る展開は、ありがちとはいえ納得できる展開。ラストの後
日談もさわやかです。
好感の持てる青春映画。これまでにも青春映画を手がけてきた古厩智之監督ら
しい作品です。欲を言えば、もう少し剣道のシーンに迫力があれば……という
感じでしょうか。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（ユーモラスで、あたたかで、清々しい香織と早苗の友情物語。ていねいで自
然な描写が印象的。幅広い層の観客が楽しめそうです。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年4月29日（木）シネマロサにて。午後1時45分の回
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