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カサノバ（CASANOVA）
（2005年 アメリカ）（上映時間１時間52分）
監督：ラッセ・ハルストレム
出演：ヒース・レジャー、シエナ・ミラー、ジェレミー・アイアンズ、オリヴ
ァー・プラット、レナ・オリン、オミッド・ジャリリ
＊テアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマほかにて公開
ホームページ http://www.movies.co.jp/casanova/
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＜ストーリー＞
18世紀のヴェネチア。究極のプレイボーイ、カサノバ（ヒース・レジャー）は、
修道女に手を出したことが役人に見つかり御用となってしまう。総督の計らい
で無罪放免となったものの、強力な後ろ盾を得るため良家の子女と結婚する必
要に迫られる。そこで、富豪の娘ヴィクトリアとの婚約を取り付けるカサノバ
だったが、ある日彼の前に、剣の腕前と知性を兼ね備えた美貌の令嬢フランチ
ェスカ（シエナ・ミラー）が現われる。たちまち彼女に夢中になるカサノバだ
が……。
＜レビュー＞
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ひたすら楽しい稀代のプレイボーイを描いたコメディー時代劇
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カサノバといえば、18世紀のヨーロッパで活躍した歴史に名を残す超プレイ
ボーイ。そのケタはずれの女たらしっぷりは、石田純一なんか足下にも及びま
せんことヨ。 （‐＾▽＾‐）
そんなカサノバが、なんとまあ本気で１人の女性を好きになったから、さあ大
変。というお話。
彼が好きになったのは、男勝りの剣の腕を持ち、しかも知性も兼ね備えた美し
い令嬢フランチェスカ。ところが、彼女には親が決めたまだ見ぬ婚約者がいる。
その相手である大富豪パプリッツィオが彼女に会いにやってくることに。焦っ
たカサノバは策略をめぐらせる。はたして、名うてのプレイボーイは首尾よく
恋の勝利者となれるのか？
舞台は18世紀のヴェネチア。その美しい町のようす。そして、当時の人々の鮮
やかな衣装。それらがこの痛快な恋愛喜劇を盛り上げます。
コメディーなんで、やっぱり笑えなければ価値はない。その点では、十分に合
格点です。女性に強いはずのカサノバが、フランチェスカを好きになって、ま
るで少年のように右往左往します。そして、彼女に接近するためにあの手この
手を繰り出します。それがどれもみんな爆笑モノなんだなぁ〜。
特に笑えるのが、カサノバが身分を偽って彼女に近づくところ。フランチェス
カ母娘と婚約者ヴィクトリアの父親の双方にバレないように、必死になるとこ
ろは、まるでコントみたい。
デブの大富豪パプリッツィオがダマされて、みっともない格好になるところも
笑えますねぇ〜。
オバカではあるけれど、お下劣にはならない。そんな寸止めのコミカルなシー
ンの波状攻撃です。
そして、これと並行して描かれるのが、プッチ司教によるカサノバ逮捕劇。
「不道徳で異端だ！」というので、カサノバを逮捕すべく追跡するのですが、
これがイマイチ間抜け。とはいえ、演じているのがアブない役では定評がある
ジェレミー・アイアンズですからねぇ。なかなか見応えがあるんですヨ。
女性差別がまかり通る時代性も巧みに利用しています。それに強く反抗するフ
ランチェスカが、本来なら彼女が毛嫌いするはずの女の敵カサノバと親しくな
ってしまうという皮肉。そして、そこから浮かんでくる真実の愛……。
クライマックスは都合よすぎのドタバタ劇。しかし、アクションまで飛び出し
て、無条件に楽しませてくれるサービス精神には、潔さを感じてしまいました。
ここまで徹底してくれれば文句ナシ！ ＼（＊⌒０⌒）ｂ
主演のヒース・レジャーは意外なハマリ役。『ブロークバック・マウンテン』
とはまったく違う役を楽しそうに演じています。
その他の脇役もいい味を出しています。特に富豪役のオリヴァー・プラットは
出てきただけで笑えます。フランチェスカ役シエナ・ミラーはジュード・ロウ
の元婚約者。ハルストレム監督の奥さん、レナ・オリンもご出演です。
しかし、まあ肝心の２人の恋愛劇に深みがあるかというと疑問。カサノバの心
情や背景もあんまり深くは描かれません。母親との複雑な関係がチラリと登場
するものの、それも中途半端な描き方。『サイダーハウス・ルール』『ショコ
ラ』などの名匠ラッセ・ハルストレム監督の映画だと思って観ると、そのあた
りが物足りないかもネ。
人間ドラマの部分にはあまり期待せずに、痛快な中世コスプレ恋愛コメディー
を笑っちゃってください。ラストのキスの連続もシャレてます。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（テンポもよくてかなり笑える恋愛コメディー。中世ものというと重たい映画
も多いですが、これは気楽に楽しめます）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年６月28日（水）銀座テアトルシネマにてにて。午後２時５分の回
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