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超強台風（SUPER TYPHOON）
（2008年 中国）（上映時間1時間34分）
監督：フォン・シャオニン
出演：ウー・ガン、ソン・シャオイン、リウ・シャオウェイ
＊新宿ミラノほかにて順次全国公開
ホームページ http://www.super-typhoon.com/
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＜ストーリー＞
太平洋上に強力な台風「藍鯨」が発生する。やがて中国沿岸部の人口120万人の
都市に進路を向けるが、不安定な動きで対策が取りにくい。はたして市民を避
難させるべきかどうか。空振りに終われば大損失となる。市長（ウー・ガン）
は、気象学者（ソン・シャオイン）のアドバイスを受けてついに決断するのだ
が……。
＜レビュー＞
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手づくり感あふれる特撮によるディザスター・ムービー
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ハリウッドでもよくあるディザスター・ムービー。『パーフェクト・ストー
ム』あたりを思い起こさせます。オープニングの宇宙から地球にフォーカスす
るシーンなども、いかにもという感じ。
ただし、ハリウッドと違ってCGをほとんど使わず、特撮や実際の台風の映像を
中心に構成しているのがユニークなところ。おかげで、何だか懐かしい手づく
り感のある映画になっています。
大都市に強力な台風が接近してくる中で、住民を避難させるべきかどうか市長
が悩むのか前半のお話。台風に立ち向かう市長を中心に、彼に重要なアドバイ
スを与える女性気象学者、離島で出産が迫る妊婦と女性研修医、島に帰れない
妊婦の夫、台風の目をとらえることに執念を燃やす外国人カメラマンなど、
様々な人々を周辺に配して、それぞれのドラマを展開させます。
脚本、演出ともに手堅い出来。女性気象学者が市長の小学校時代の恩師で、父
親は約50年前の巨大台風で犠牲になったという設定など、細かなところまでよ
く考えられています。おかげで、台風襲来まで飽きることはありませんでした。
そして、いよいよ後半は台風襲来。荒波に木の葉のように舞う船、街に押し寄
せる高波、強風に飛ばされる人や車など、迫力満点の映像が連続します。ミニ
チュアなどを使った特撮と実写映像を組み合わせたことによって、CGでは味わ
えない独特の迫力と緊迫感が生まれています。はては、タンクローリーの爆発
シーンや、サメの襲来まで登場（『ジョーズ』か！？）。あの手この手で観客
を楽しませます。
微妙な「やりすぎ感」も面白いところ。市長を徹底したヒーローとして手放し
に礼賛するところは、ひと昔前の英雄物語のようです。荒波をバックにすっく
と立つ市長のレトロ感あふれる映像には、思わず笑ってしまいました。
エンターティメントとしてのお楽しみがタップリある映画。おまけに、ラスト
には地球温暖化に対するメッセージも込めるあたり、最後の最後まで手堅くま
とめられています。
フォン・シャオニン監督は、北京電影学院で、チャン・イーモウやチェン・カ
イコーらと同期で、映画やテレビドラマで堅実に活動してきたようです。そん
なベテランらしい仕事ぶりです。
ちなみに、離島で奮闘する研修医役のリウ・シャオウェイは監督の奥さんだと
か。年の差22歳なんですけど（笑）。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（CGに頼らなかった台風襲来シーンがなかなかの迫力。エンターティメント映
画として、それなりによくできています。）
（田中ひろあき（ぽち））
2010年8月19日（木）ブロードメディア・スタジオ試写室（月島）にて。
[「ち」のページ] |
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