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DEATH NOTE デスノート 前編
（2006年 日本）（上映時間２時間６分）
監督：金子修介
出演：藤原竜也、松山ケンイチ、鹿賀丈史、津川雅彦、藤村俊二、瀬戸朝香、
香椎由宇、細川茂樹、戸田恵梨香
＊丸の内プラゼール、渋谷シネパレスほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote/
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＜ストーリー＞
法による正義に限界を感じていた大学生の夜神月（藤原竜也）は、ある日、表
紙に『DEATH NOTE』と書かれた一冊のノートを手に入れる。そこには、「この
ノートに名前を書かれた人間は死ぬ」と書かれていた。試しに犯罪者の名前を
書き込んでみると、翌日の新聞にその男が獄中死したことが報じられているで
はないか。それをきっかけに、自らの手で犯罪者を裁くことを決意する月。だ
が、やがて連続する犯罪者の不審死が事件となり、インターポールが警察庁に
送り込んだ天才"Ｌ"（松山ケンイチ）が事件解決に乗り出す。
＜レビュー＞
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人気コミックの映画化。テーマは重たいけれど死神が笑えるんですけど……
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物騒な世の中だけに、犯罪者に対する人々の目は厳しい。凶悪な犯罪者が意外
に軽い刑になったり、精神のトラブルを理由に不起訴になったりすると、法に
よる正義に限界を感じ、「殺人犯なんかみんな殺しちまえ！」てな過激な意見
を吐く人も少なくない。
そんな世間の風潮を背景に、法ってなに？ 正義ってなに？ という重たい
テーマにつながる可能性のある設定が、とても魅力的な映画です。原作は『週
刊少年ジャンプ』連載の人気コミック。
法による正義に限界を感じているエリート大学生が、ひょんなことから手に入
れた"死のノート"を使って凶悪犯に死の制裁を下していく。そして、やがて事
件の捜査に乗り出した天才と白熱の対決を繰り広げる……。
やっぱり『DEATH NOTE』がいいですよ。「気に入らないヤツをやっつけた
い！」という誰もが持つ願望を極端な形で実現させるオールマイティーのノー
ト。誰かの名前を書くと必ず死ぬシロモノですが、いろいろとルールがあって、
同姓同名の人は死なないとか、細かな配慮もされています。
でもって、それを手に入れた主人公が、最初は正義感を暴走させる程度だった
のに、次第にエスカレートして、自分人が本格的な殺人者になって、最後はと
んでもない行為に出るという展開。
ところが、そうした変化がきちんと描かれていません。主人公の心の変遷がほ
とんど見えないのです。なんだかまるで最初からサイコパスだもの。特にクラ
イマックスの展開は唐突すぎてついていけません。瀬戸朝香はともかく、香椎
由宇にあんなことをするなら、それなりの説得力のある心の変化が見えないと
ねぇ〜。
主人公を演じる藤原竜也は、相変わらず美しいけれど、あの一本調子の演技は
何とかならんのか！！！ おかげで、なおさら主人公の心の変化がうかがえま
せん。
むしろ目立ったのは、彼と対決する天才「Ｌ」役の松山ケンイチ。あの不気味
さ、怪しさはハンパではありません。スゴミなら完全に彼の勝利です。
セリフもひどいよねぇ〜。伝わってくるものが全然ないんだもん。ボクでもも
ちっとマシなセリフが書けるぜ。
そして、この映画の最も困ったところは、死神さんです。ＶＦＸで死神を登場
させてるんだけど、これがちっともコワくないどころか笑っちゃうのヨ。ユー
モラスなところもチラチラある映画だから、意図してそうしているんだろうけ
ど、それにしたって死神で笑いをとってどうするの！！！ 死のノートをもた
らした、恐怖の存在なのにサ。
笑える姿をさらすなら、曖昧な存在にしてしまうか、あるいは地上の何かに乗
り移らせたほうが、ずっとずっと恐怖感が出たと思うんですけど。
ということで、コワさも、スゴミもあまり感じられなかった映画。けっこう重
たいテーマを背負っているのに、そのへんの迫り方も甘いよねぇ。
ただし、原作を読んだ人は違う見方ができるのかもしれませぬ。それに藤原竜
也クンの美青年ぶりは相変わらずなので、原作のファン＆藤原竜也のファンに
は見応えある映画といえるかも。アイドル光線ギラギラ出しまくりの戸田恵梨
香チャンのファンも必見よ〜〜！！ てか。
まあ、10月公開の後編はテレビで十分だな。日テレが作った映画なので、間違
いなく地上波で放送するのだろうから。
《ぽちのオススメ度》
★☆☆☆☆（＋1／2★）
（まだ前編だけなのでなんともいえませんが、もうちょっと主人公が暴走して
いくさまをリアルに描いて欲しかった気がします。娯楽映画とはいえ、重たい
テーマを持つ映画なのだから）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年６月18日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後４時の回
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