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デジャヴ（DEJA VU）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間７分）
監督：トニー・スコット
出演：デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン、ヴァル・キルマー、ジム・
カヴィーゼル、アダム・ゴールドバーグ、ブルース・グリーンウッド
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズ、日劇PLEXほかにて全国公開
ホームページ http://www.movies.co.jp/dejavu/
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＜ストーリー＞
フェリー爆破事件が発生。捜査を開始したＡＴＦ捜査官ダグ・カーリン（デン
ゼル・ワシントン）は、ＦＢＩの特別捜査班への協力を要請される。捜査班は、
現在から"４日と６時間前"の映像をリアルタイムで再生する監視システムを使
って、事件の犯人を追う。事件直後に遺体で発見された女性クレア（ポーラ・
パットン）が鍵を握っていると確信したダグは、この装置で彼女の自宅を映し
出すのだが……。
＜レビュー＞
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おもしろくするためには何でもやります！ ジェリー・ブラッカイマーだもの
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エンタメ映画界のドンともいうべきプロデューサーのジェリー・ブラッカイ
マー。『パイレーツ・オブ・カリビアン』をはじめ数々のヒット作で知られる
彼が製作したこの映画。「これぞまさにエンターティメント！」という感じで、
ありとあらゆる仕掛けで観客を楽しませます。
タイトルの「デジャヴ」とは、既視感。初めて訪れた場所なのになぜか見覚え
がある。初めて会った人なのに前にも会った気がする。そんな感覚。
というわけで、デンゼル・ワシントン演じる捜査官が、フェリーの大爆破事件
の現場で遺体で発見された女性の自宅に行き、そういう感覚に襲われるという
のが物語の発端。
おおっ！ これは最近公開になった黒沢清監督の『叫（さけび）』の主人公の
刑事と同じような設定ではないか。ということは、デンゼルが「俺が犯人なの
では？？？」と悩みつつ真相に迫るサスペンスなのだろう……。
と思ったら大ハズレ〜〜〜！！ なんだ、これＳＦじゃないですか。詳しく言
うとネタバレになりますが、要するにタイムワープもののＳＦなのです。
今さら珍しくもないこんなネタを、ベタに描いてもそれほど楽しくはならなか
ったはず。そこで、アレコレ細工をしまくっておもしろく見せようとしていま
す。
まず、「デジャヴ」という要素を組み込んだのが第一の仕掛け。そして、４日
と６時間前の映像しか見られないという、ユニークな装置を登場させたのが第
二の仕掛け。しかも、その機械は現在と過去がリンクしているという不思議な
もの。さらに、それを小型にした装置を使うことで、車を運転しながらも４日
と６時間前の映像が見られる仕掛けも登場。
不思議な映像装置をめぐって、もっともらしい原理が述べられるものの、聞い
ているこっちにはサッパリわかりませ〜ん。しかし、それでいいのだ。おもし
ろければ何でもアリなのがブラッカイマー映画。都合よすぎの設定など気にし
ちゃダメ。
冒頭の大爆発なんてまだ序の口。カーアクション、銃撃戦、水中アクションな
ども散りばめつつ、クライマックスは一度オープニングで提示した出来事で、
再びハラハラさせます。
ん？ よくよく考えると疑問が……とか、あんな展開はＳＦにしても反則なの
では……なんて思ってはいけません。なんせブラッカイマーの映画なんですか
ら。おもしろければすべてＯＫ。そういう映画です。
デンゼル・ワシントンは、デジャヴにとまどうシーンを、表情だけで見せるあ
たりが見事な演技。全体はお得意のドキュメンタリータッチの迫力ある映像で
描きつつ、デンゼルの演技力もきちんと生かしたベテランのリドリー・スコッ
ト監督の演出力もさすが。
それにしても、ヴァル・キルマー（『トップガン』『ドアーズ』）がすっかり
ただのオッサンになっていたのには涙。あんなにカッコよかったのにぃ〜〜。
都合よすぎの設定をはじめ、よーく考えるとツッコミどころ満載の映画。しか
し、それを力技でおもしろく見せてしまうのだから、良くも悪くもハリウッド
らしい映画といえるでしょう。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（これぞハリウッド映画！ という感じの娯楽作。タイムワープの原理がどう
のこうのとか、細かなことは気にせずに気楽に楽しんでください。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年3月18日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時45分の回
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