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プラダを着た悪魔（THE DEVIL WEARS PRADA）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間50分）
監督：デヴィッド・フランケル
出演：メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタン
リー・トゥッチ、エイドリアン・グレニアー、トレイシー・トムズ、サイモ
ン・ベイカー、リッチ・ソマー、ダニエル・サンジャタ
＊日比谷スカラ座ほかにて全国公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
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＜ストーリー＞
大学を卒業し、ジャーナリストを目指してニューヨークへやって来たアンディ
（アン・ハサウェイ）は、一流ファッション誌"RUNWAY"の編集長ミランダ・プ
リーストリー（メリル・ストリープ）のアシスタントになる。ミランダは絶大
な影響力を持つファッション界のカリスマだった。朝も夜もなく24時間下され
るミランダの理不尽な命令に、アンディの私生活はめちゃくちゃになり、恋人
ネイトともすれ違いが続くのだが……。
＜レビュー＞
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メリル・ストリープの悪魔ぶりが光る。オシャレ満載のコメディ
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田舎から出てきたジャーナリスト志望の女の子が、ひょんなことで一流ファッ
ション誌の名物女性編集長のアシスタントとなり、無理難題を吹っかけられる
うちに、本当の自分を見つけていくというコメディ。
こういうお話は、イジメ役がどのぐらい魅力的かが大きなポイント。その点、
この映画のメリル・ストリープは抜群です。これまであまりハイソなイメージ
がないうえ、善人役が多い彼女がイジメ役をやるだけでも意外性タップリ。
実際、その期待に違わぬ暴れぶりです。自分の都合だけであれこれ無茶な命令
をし、少しでもうまくいかないと機嫌を損なう。24時間フルタイムで突然電話
をしてきて、実行不可能と思われる要求をする。かと思えば急にそれをキャン
セルしたり……。まさにタイトルの「悪魔」という表現がピッタリのワガママ
鬼編集長ぶりです。
特に、自分の娘のために、これから刊行になるハリポタの最新刊を手に入れろ
という命令にはぶっ飛びましたねぇ。そんなの仕事じゃねえだろ！！！
そんなトンデモな役をメリル・ストリープが持ち前の演技力で、しかも嬉々と
して演じているから楽しい楽しい。それだけで十分に楽しめる映画です。
そんな彼女に振り回されるアン・ハサウェイは、いかにも田舎出でファッショ
ンなんか興味ナシという感じがピッタリ。あとになってブランドものに身を包
むようになっても、どこかアカ抜けないのは演技力？ それとも地？
彼女の相談相手になるスタンリー・トゥッチ（『Shall we Dance? シャル・ウ
ィ・ダンス？』のカツラ男）も良い味を出しています。
主人公と恋人との関係や、そこに現れる新たな魅力的男性、といったあたりは、
こういう映画にありがちな展開。演出も特に目を引くところはないのですが、
ノリの良い音楽とともにテンポよく描くから、そんなに飽きることはありませ
ん（演出はＴＶドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」のデビッド・フラン
ケル）。
それに何よりブランドもののファッションの洋服、バッグ、ベルト、靴、下着
などが波状攻撃のように押し寄せるから、女性の皆さんは大喜びでは？（ただ
し、タイトルの「プラダ」は諸般の事情によりあまり出てこないとか。）
物語は、鬼編集長の無理難題を何とかこなしつつも、私生活ではアララララ…
…となった主人公が、突然先輩に代わって編集長らとともにパリコレに出かけ、
それがきっかけで大きな転換点に直面します。
ラストは二転三転あるのですが、おっとビックリというような結末ではありま
せん。しかし、鬼編集長を急に素晴らしい人間に変身させたりしないところは、
好感が持てます。観終わって爽やかで、温かな気持ちになれるのもよいところ。
まあ、もう少し、ファッション業界や雑誌の世界を強烈に皮肉っても良かった
気がしますが、そのあたりをほど良いところで止めておいたところも、たくさ
んの観客にアピールする原因なのでしょう。
女性の成長物語だし、ファッションが前面に出ている映画ということで、女性
の観客が多いようですが、ファッションに何の関心もない男性が観ても楽しめ
ます。
ていうか、ああいう男の上司って実際にいたりしない？
いくら仕事ができたとしても、ああはなりたくないですね。人の上に立つ人は
男でも女でもこの映画を観て、わが身を振り返ったほうがいいかもしれません。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（なかなか楽しいコメディです。とりたててスゴイところはありませんが、観
ても損はないでしょう。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年11月26日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時45分の回
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