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ディスタービア（DISTURBIA）
（2007年 アメリカ）（上映時間1時間44分）
監督：Ｄ・Ｊ・カルーソー
出演：シャイア・ラブーフ、キャリー＝アン・モス、デヴィッド・モース、サ
ラ・ローマー、アーロン・ヨー
＊スバル座ほか東宝洋画系にて全国公開
ホームページ http://www.disturbia.jp/
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＜ストーリー＞
父親を交通事故で亡くし、心に傷を負ったケール（シャイア・ラブーフ）は学
校で教師を殴り、裁判所から３ヶ月間の自宅謹慎を言い渡される。足首には監
視システムをつけられ、行動範囲を越えると警察に通報されるという現実の中、
暇を持て余したケールは、近所の覗き見を始める。やがて、血まみれのゴミ袋
を引きずる人影を目にしたケールと友人達は、その男が、頻発する猟奇殺人の
犯人ではないかと睨むのだが……。
＜レビュー＞
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若者達の覗き見ゲームが招いた恐怖をスリリングに描いたコワイ映画
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猟奇連続殺人をめぐるサスペンス・スリラー。アメリカでは『パイレーツ・オ
ブ・カリビアン／ワールド・エンド』『スパイダーマン３』などと同時期に公
開され、大ヒットしたそうです。
ユニークなのが主人公の若者ケールの設定。教師を殴って裁判所から３ヶ月間
の自宅謹慎を言い渡され、しかも自宅の敷地から外に出ると足首につけられた
監視システムが作動して、警官が飛んでくるという厳しい処分。日本じゃ考え
られませんよねぇ〜。
おかげで、ヒマでしょうがないケールは、双眼鏡で近所の様子を覗き見し始め
ます。それがもとで、とんでもないことになってしまうのです。
前半でケールの覗きの主な対象になるのは、引っ越してきたばかりの可愛い女
のコ、アシュリー。それと並行して、頻発する猟奇殺人の話が登場するので、
てっきりこの女のコに大きな秘密があり、それが事件と絡むのかと思い込んで
しまいました。
ところが、なんのことはない。アシュリーはただケールと仲良くなって、最終
的にラブラブになってしまうだけなのでした。チャンチャン！ なんだよ〜！
そんなことのために延々とアシュリーを描いたのかよ。
だいたい、２人がラブラブになるところもお手軽というか、バカというか。い
くら恋愛は添え物の映画とはいえ、そんなリアリティーのない描き方でいいの
か？？？
オープニングで描かれる父親の衝撃的な事故死と、それに起因したケールの心
の傷というネタも、ちっとも効果的に使われていません。あんな中途半端な描
き方なら、ないほうがマシです。
というわけで、前半はカッタるくて、観ていられませんでした。どうして、こ
んな映画が全米大ヒットなのかまったく理解できず。
ところが、後半になって、ようやくヒットの理由がわかりました。かなりスリ
リングで、ハラハラドキドキさせられるんです。
前半のケールの覗きの中で、ミスター・ターナーというあやしいオッサンが登
場します。で、後半はそのオッサンが猟奇殺人犯に違いないと信じたケールと
アシュリー、それにケールの友達の韓国系の男の子ロニーの３人が、ターナー
を探り始めるんです。
といっても、ケールは自宅から出られないから、他の２人が携帯で連絡を取り
ながらアレコレ動くという展開。そこからは緊張の連続！「あわや！」と思っ
たら、実は大丈夫。と思ったら、「やっぱりヤバイ！」てなジェットコース
ター的スリルもあって、けっこう楽しめました。
やがて犯人がほぼ明らかになると、今度はその家で母親探しをするケールの姿
を通して、お化け屋敷探検の気分まで味わえます。あ、そんなところにそんな
ものが……。ギャー！！！
主人公ケール役のシャイア・ラブーフは『トランスフォーマー』に出ていた若
者で、『インディ・ジョーンズ４』にも出演予定とか。『マトリックス』のキ
ャリー＝アン・モスもその母親役で出演。しかし、それよりもスゴイのが、ナ
ゾのオッサンに扮したデヴィッド・モース（『交渉人』『グリーンマイル』な
ど）。普通っぽさとアブナさをうまく同居させた演技でした。
いやぁ〜、後半はなかなかのものです。しかし、前半はまったくダメ。観るな
ら、前半はガマンして、後半40分ほどにすべてを賭けましょう。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（前半のダルさをガマンすれば、後半はまあまあの出来。ハラハラドキドキし
たい方は、それなりに楽しめると思います。しかし、これが全米大ヒットねぇ
〜。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2007年10月31日（水）テレビ東京試写会（ニッショーホール）にて
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