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シスタースマイル ドミニクの歌（SOEUR SOURIRE）
（2009年 フランス・ベルギー）（上映時間2時間4分）
監督：ステイン・コニンクス
出演：セシル・ドゥ・フランス、サンドリーヌ・ブランク、ヤン・デクレール、
ジョー・デスール、マリー・クレメール、クリス・ロメ、フィリップ・ペー
タース、クリステル・コルニル
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.cetera.co.jp/dominique/
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＜ストーリー＞
1950年代末のベルギー。小さなパン屋で育った自由奔放なジャニーヌ・デッケ
ルス（セシル・ドゥ・フランス）は、両親への反発などから、好きなギターを
手に修道院へ入る。厳格な修道院での生活に反発するジャニーヌだったが、シ
スターたちや院長から音楽の才能を認められ、聖ドミニコを讃えた歌『ドミニ
ク』を作曲する。その美しい歌声とメロディーが評判となり、「シスタースマ
イル」の名でレコードデビューを果たし、世界的な大ヒットを記録するのだが
……。
＜レビュー＞
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名曲「ドミニク」の生みの親の波乱の人生を描く
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1960年代に世界的に大ヒットした「ドミニク」という歌の誕生にまつわるドラ
マ。その曲を作って歌った覆面歌手「シスター・スマイル」こと、ジャニー
ヌ・デッケルスという女性の波乱の人生を描いています。
主人公のやんちゃ娘ジャニーヌは、いろいろな悩み事を抱えて修道院に入りま
す。厳しい修道院生活に反発しながら、歌うシスター「シスター・スマイル」
としてレコード・デビューを果たし、大ヒットを飛ばします。しかし、人前で
歌いたいという思いから修道院を出ることに……。
主人公に感情移入するのは難しいかもしれません。なにせかなり個性的な女性
で、誰からも愛されるとは言いがたいキャラ。しかも、全体にかなり駆け足の
描き方です。たとえば、ジャニーヌが修道院に入る理由などもじっくりとは描
かれません（親への反発、ボーイフレンドとの関係、同性愛の友人との関係な
ど、いくつかの要素は提示されますが）。
それでも、一歩引いて眺めると、なかなか面白いドラマです。まさに波乱の連
続の人生。いろんなことがあり過ぎて、それを観ているだけで時間が経ってし
まいます。
自由を愛し、自信家で、思ったことはすぐに実行するジャニーヌ。欠点だらけ
の女性ではありますが、自分で人生を決めて突っ込んでいくところは、ほほえ
ましく感じられます。特に、厳しい修道院に反抗して、何とか自分流に生きよ
うとするうちに、周囲も少しずつ変わっていくところが印象的。
しかし、後半は主人公にとって辛いことの連続です。悪戦苦闘してようやく人
前で歌えるようになったものの、当時の保守的な世の中に翻弄されてしまいま
す。
ラストは悲劇的です。しかし、それをわざとらしく盛り上げず、さらっと描き
ます。ジャニーヌの夢だったアフリカ行きの話を盛り込むなど、いかにも彼女
にふさわしい描き方で好感が持てます。悲劇なのに爽やかな感じさえします。
エンドタイトルの前には、教会批判なども込めて彼女の人生を総括。それも含
めて、主人公に対する温かな視線が感じられる映画でした。
主人公を演じたセシル・ド・フランスが、迫真の演技と素晴らしい歌声で見事。
スクリーンで観るのは初めてですが、なかなかの女優です。イーストウッドの
次回作への出演も決まっているそうです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（主人公に感情移入はしにくいものの、波乱の人生を観ているだけで面白い映
画。特に主演のセシル・ドゥ・フランスの熱演に高評価。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年7月19日（月）シネスイッチ銀座にて。午後4時5分の回
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