イーグル・アイ(EAGLE EYE)


(2008年 アメリカ)(上映時間1時間58分)
監督:D・J・カルーソ
出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン、マイ
ケル・チクリス、アンソニー・マッキー、ビリー・ボブ・ソーントン、
*丸の内ピカデリー1ほかにて全国公開
ホームページ http://www.eagleeyemovie.com/
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<ストーリー>
コピー店で働く青年ジェリー(シャイア・ラブーフ)は、双子の兄弟が急死し
たため実家へ戻る。その直後、ATMに立ち寄ると口座に大金が振り込まれ、
自宅アパートには大量の軍事用機材が届いていた。呆然とする彼に、見知らぬ
女性から電話が入り、次々と指令が下される。一方、同じ頃、シングルマザー
のレイチェル(ミシェル・モナハン)にも謎の電話が入り、指示に従わなけれ
ば息子の命はないと脅迫される。2人はやがて引き合わされて行動を共にするの
だが……。

<レビュー>
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監視社会の恐怖を小道具にしたハリウッドらしいアクション大作
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製作総指揮スピルバーグのアクション・サスペンス。監督は『ディスタービ
ア』のD・J・カルーソ、主演は『ディスタービア』『トランスフォー
マー』のシャイア・ラブーフ。

オープニングは、外国で米軍がテロリストらしき人物のいるところを攻撃する
シーン。あれ? 戦争映画?

かと思ったら、いきなり貧乏なコピー店の店員が登場。続いて、子供を駅で見
送るシングルマザーが登場。いったい、何がどうなってるの???

というように、冒頭は謎めいた展開で観客の目を釘付けに。この2人の男女が、
何者かに携帯電話で脅迫まがいの命令を受けて引き合わされ、その指示のまま
に行動するうちに国家に追われるなど、アブナイ目にあいます。それが、やが
て巨大な暗殺計画にまでつながるというお話。

この映画で強く打ち出されているのが、超管理社会の恐怖。携帯を傍受され、
監視カメラで撮影される厳しい監視社会。スピルバーグはじめ製作者たちの頭
にあるのは、けっして近未来の世界ではなく、現在の社会なのでしょう。

ただし、その思いが観客にきちんと伝わるかといえば大いに疑問。観客を楽し
ませるために、ド派手なアクションを連発するがゆえに、あまりにも不自然な
展開が目につきます。しかも、それを感じさせないように、ますます力ワザで
アクションを繰り出すから、どんどんリアルさとは遠くなっていきます。おか
げで監視社会の恐ろしさを感じるどころの話ではありません。

それでも、普通のアクション映画として観れば、それなりに楽しい映画でしょ
う。前半のカーアクションから、ラストの暗殺シーンまで、手に汗握るアクシ
ョンの連続。主人公たちを追う捜査官なども加わって、スリリングなシーンが
全開。これぞまさにハリウッドの得意ワザ。とにかくお金かけてますから!!

しかし、いくら何でも犯人というか、携帯電話の声の主をあんなに早く明かし
ちゃダメですよね。意外な真実ならともかく、この事件の真相はキューブリッ
ク監督の某有名SF映画あたりと基本的な構図が同じ。ならばギリギリまで、
真相を隠して「え! そうだったの?」と観客を驚かせてくれなくちゃ。

役者ではテロ捜査官役のビリー・ボブ・ソーントンが相変らずいい味出してま
す。この映画にはもったいないぐらい……。てのは失言か?

監視社会の恐怖、テロリスト狩りのためには何でもやるアメリカ政府の人権感
覚の欠如など、シリアスな問題がいろいろと登場するものの、それをちゃんと
追求することもなく、ただ小道具として使うのみ。あくまでもポップコーン片
手に、気楽に楽しめるエンタメ映画です。観終わっても何も残らないので、そ
のつもりでどうぞ。

《ぽちの満足度》
★★☆☆☆

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆(+1/2★)
(普通のアクション映画として楽しめば、まあまあ面白いのではないでしょう
か。)
                              (田中ひろあき(ぽち))
〔鑑賞データ〕
2008年10月18日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後4時15分の回


[「い」のページ]




イーグル・アイ
D・J・カルーソ
シャイア・ラブーフ
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ビリー・ボブ・ソーントン