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アース（EARTH）
（2007年 ドイツ・イギリス）（上映時間1時間36分）
監督：アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
ナレーション：パトリック・スチュワート
ナレーション（日本語版）：渡辺謙
＊2008年1月12日より日比谷スカラ座ほか東宝洋画系にて公開
ホームページ http://earth.gyao.jp/
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＜ストーリー（解説）＞
海洋ドキュメンタリー『ディープ・ブルー』のスタッフが結集して送るネイチ
ャー・ドキュメンタリー。５年の歳月と莫大な予算を投じ、最新のテクノロ
ジーを駆使して捉えられた神秘に満ちた大自然の景観と、野生生物たちの生と
死のドラマが展開される……。
＜レビュー＞
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温暖化への危機意識を背景に迫力の映像で描かれる地球の真の姿
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今まさに大きな問題となっている地球温暖化。それに対する危機意識を背景に
製作された壮大なドキュメンタリーです。
といっても、けっして温暖化問題を正面から描いているわけではありません。
描かれるのはあくまでも大自然の神秘的な姿と、そこで暮らす野生動物たちの
リアルな生態です。
面白いのがその構成。まず北極を出発して、ツンドラ地帯、針葉樹林、広葉樹
林、熱帯雨林、サバンナ、南氷洋、そして南極へと、地球を北から南へ移動し
ていきます。それぞれの場所で生きる動植物の姿が、超ハイスピードカメラを
はじめとする最新の映像技術によって、迫力満点に映し出されていきます。
なんといっても見どころは、様々な野生動物の生き様です。ホッキョクグマの
親子から始まって、トナカイ、オオカミ、極楽鳥、アフリカ象、ライオン、ザ
トウクジラなど、たくさんの動物たちの生と死が、生き生きと描かれています。
特に親子の映像が多いのが特徴。
もちろん野生の生態を描いているだけに、動物同士の弱肉強食の世界も描かれ
るのですが、残虐なシーンはあまり登場しません。このあたりは、幅広い層の
人々にアピールするための配慮でしょうか？
ラストは南極から再び北極へ戻り、ホッキョクグマの置かれた厳しい現状を映
し出し、その原因となっている地球温暖化の問題に言及します。けっしてメッ
セージ性を前面に出しているわけではありませんが、それでも危機感は十分に
伝わってきます。大自然の魅力を堪能するだけでなく、それを通して環境問題
についても考えさせられる映画です。
大画面テレビでも持っている方はともかく、そうでない方はＤＶＤが出るのを
待つよりも、劇場でご覧になることをオススメします。何しろ素晴らしい映像
ですから。それだけでも観る価値のある映画だと思います。ベルリン・フィル
ハーモニー管弦楽団の荘厳な音楽も見事です。
ちなみに、僕が観たのは渡辺謙のナレーションによる日本版。できれば、パト
リック・スチュワート（最近では『Ｘ−ＭＥＮ：ファイナル ディシジョン』な
どに出演していたイギリスの名優）のナレーションによる英語版も観てみたい
と思いました。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（迫力の映像を気軽に楽しめると同時に、地球温暖化への問題意識も高められ
る良質なドキュメンタリー。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2007年12月19日（水）一般試写会（九段会館）にて。
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